飲み口と後味にこだわったビールを造るために必要だったのは、適正な温度管理を実現できる設備

  • 2025.06.24
  • 2025.07.03

導入事例~CAMOSI BREWING(カモシブルーイング)様~

CAMOSI BREWING(カモシブルーイング)様は、2023年3月に福岡県糸島市で開業したクラフトビール醸造所です。

同醸造所では、クラシカルなビアスタイルをベースとした、“やわらかな飲み口とクリアな後味”にこだわったビールを醸造しています。
自然豊かなこの地で採れた柑橘類やハーブを副原料に使用したビールは、レジャーやハイキングといったアウトドア帰りのお客さまを中心に人気を集めています。

今回は、同醸造所で醸造長を務めている、花田 功様にお話を伺いました。

インタビュアー:醸造所の開業にあたって、どのような設備を求めていたのでしょうか?

花田様:簡潔に言うと、「作業効率の良い設備を導入したい!」と思っていました。
これは、私が理想とするビールをスムーズに造るために、醸造作業の負担をできるだけ減らしたかったことが理由です。

ビールを醸造する際、まず麦汁を造って発酵させるのですが、ただ発酵を待つわけではなく、実はさまざまな手間が必要なんです。
製造した麦汁は、ろ過してホップを加えたあと別のタンクに移し、酵母が発酵できる温度まで冷却して、一定の温度に保ちます。
冷却以外にも、糖化や発酵中の温度管理を徹底する必要があるのですが、これらはビール造りにおいて、極めて重要な作業です。
それぞれのタンクに入れた麦汁の温度を適正に保てるよう、細心の注意を払いながらシステムで管理し、わずかな変化も逃してはなりません。

このとき、それぞれの制御システムがタンクごとに分かれていると、タンクを行ったり来たりする手間が生まれますよね。
これでは作業効率が低下してしまうので、「一か所である程度コントロールできるシステムが搭載された醸造設備なら理想的だな」と考えていたわけです。

また、それとは別に、設備に使用するステンレスの厚さにも注目していました。
ステンレスが薄いと、冬場は外気温の影響を受けて、気づかないうちに麦汁の温度が3℃近く下がることも珍しくありません。
そうすると、麦汁内の酵母のはたらきが鈍くなって発酵が足りず、期待する風味が出なかったり、酸味が増したりして、目指していた味わいとは違うものになってしまいます。
私の理想とする味わいを追求するために、作業効率もそうですが麦汁の温度管理には特にこだわりたかったので、ステンレスの厚さも設備を選ぶ際に大切にしていましたね。

インタビュアー:醸造設備を導入するにあたって、業者選びで重要視していたポイントはありますか?

花田様:やはり、醸造設備に関する豊富な知識があることが最低条件でした。

私は以前、醸造所の開業に向けて、関東の醸造所で数年間修行していたことがあるんです。
ビール造りに必要となる基礎的なことは学ばせていただいたのですが、醸造設備の深い知識まで同時に身につけるのは難しく、とても苦労していました。
ですので、勉強のために仲間の醸造所の設備を見学させてもらったんですよ。
ただ当時は修行中の身だったこともあり、実際に見て、話を聞いても私が思い描くビールを造るために、どのような設備が必要なのかは正直わからないままでした。

その後も研鑽を積み、醸造設備の知識に関しては不安な面もありましたが、ビール造りにおいては十分にノウハウを吸収できたので独立に踏み切ることにしました。
設備選びへの懸念は残っていたものの、「醸造設備に妥協はしたくない!」と思っていたので、最適な設備を導入するために、その道のプロからアドバイスをもらいたかったわけです。

インタビュアー:醸造設備を導入するにあたって、スペントグレインを選んだ理由を教えてください。

花田様:なんといっても、スペントグレインさんには、醸造設備に関する豊富な知識を有したスタッフの方や確かな実績、フォロー体制など、私が求めるすべてが揃っていたからです。

スペントグレインさんは、今も現役で活躍されている日本屈指の醸造家の方が運営しているので、「醸造設備の性能や特徴にも詳しいだろう」と考えたんです。
それにプロの醸造家なら、「私の想いを汲み取ったうえで、最適な醸造設備を提案してくれるはずだ!」と確信して依頼を決めました。

さらにスペントグレインさんには、私が心から尊敬している、国内でも名の知れた醸造所に設備を導入している実績があるんです。
この事実が、私にとっては何よりの信頼の証で、圧倒的な安心感へとつながりました。
クラフトビール業界を牽引する醸造所の開業を、いくつも支援してきたという実績に勝る説得力はありませんからね。

また、ビールを造っていくなかで、思いがけないトラブルはつきものです。
どれだけ入念に準備していても、予期せぬハプニングが発生することは珍しくありません。
実際に、私が開業前に修行していた醸造所でも、麦汁から不純物を取り除く工程でフィルターが目詰まりを起こしたり、発酵がうまくいかなかったりすることがありました。
新たに開業する醸造所で、万が一こうしたトラブルが生じた際にも、現役の醸造家の方なら解消法を熟知しているので安心して相談できますよね。

日々ビール造りに携わる醸造家の方なら、「最適な設備の提案だけではなく、ビール造りで起こるさまざまなトラブルにもきっとすぐに対応してくれる」という思いで依頼しました。

インタビュアー:スペントグレインに依頼して良かったことはなんですか?

花田様:端的に言えば、私が求めていた醸造設備を導入できたことです。
要望通り、ビール造り中の温度管理に必要な制御システムがまとめられた設備を導入できて、使いやすいだけではなく非常に作業効率が良いので助かっています。

それに、スペントグレインさんが卸してくれた醸造設備に使われているステンレスは、かなり高品質で十分な厚みがあるんですよ。
これによって麦汁が外気温の影響を受けることなく、私の理想とするビールを造れているほか、多種多様なビールの醸造にも挑戦できています。
最適な設備の導入によって、私の思い描くビールを次々とかたちにできているので、一醸造家として、こんなにうれしいことはありません。

これだけの設備ですから、それなりの費用がかかると思っていたのですが、実際は想定よりも安価に導入できたんです。
「さすがは現役の醸造家の方が選ぶ設備だけあって、コスパの面でも完璧なものを揃えているな!」と感動すら覚えました(笑)

もちろん、導入後のフォロー体制も申し分ありません。
すでにさまざまなビールを醸造していますが、やはり大型の設備なので、些細なトラブルが発生することもあります。
スペントグレインさんに相談するとすぐに対応してくれるので、このレスポンスの速さは大きな魅力だと思います。
醸造中に発生したトラブルへの対処が遅れると、仕込んでいたビールが台無しになってしまいますから、迅速に対応してもらえるのは本当にありがたいですね。

コスパに優れた設備を導入できたことはもちろん、導入後のサポートも徹底しているので、「スペントグレインさんにお願いして良かった!」と日々実感しています。

インタビュアー:現在使用しているなかで、特に気に入っている設備はありますか?

花田様:麦汁を発酵タンクに移す際に使用する、“冷却器”が一番のお気に入りですね。

私たちの醸造所では、ビールを造る際に製造した麦汁の温度を100℃まで上げて煮沸したあと、約20℃まで下げてから発酵タンクに移すことが多いんです。
そのときに冷却器を通すわけですが、設備の規模が小さいと、その分麦汁の移送に時間がかかりますし、雑菌などの汚染リスクも高まってしまいます。
「麦汁の移送はできるだけスムーズに行いたい……」と思っていたので、既製品のなかでも少し規模の大きな冷却器を入れてもらったんですよ。
そのおかげで、麦汁の移送スピードが速いのはもちろん、汚染リスクも最小限に抑えられています。

もちろん機能を求める分、冷却器自体のサイズもそれなりに大きいのですが、「醸造作業の邪魔にならないように」と配慮したうえでレイアウトを組んでくれました。
ほかの醸造工程に一切影響せず、作業効率の良いビール造りができているのもうれしいですね。

インタビュアー:では、カモシブルーイング様の今後の展望をお聞かせください。

花田様:なるべく近いうちに、“バレルエイジ”とよばれる、ビールの熟成に木樽を使用する醸造方法を取り入れる予定です。
これは、ワインやシェリー酒などの製造に使われる木樽に、あえてビールを入れて熟成させる手法なのですが、これによって通常のビールとは違う独特な味わいになります。
そこからさらに、ビール造りでは珍しい1~2年という熟成期間を設けることで、味わいに深みが増して、ひと言では表現できないような複雑な風味のビールに仕上がるんです。
じっくりと時間をかけて醸造する手法ですので、できるだけ早く着手して、カモシブルーイング独自のビールを造りたいですね。

ほかにも、ぶどうを使ったビールの醸造も視野に入れています。
セゾンやサワーエールといった、飲み口が軽やかで後味がスッと引くようなビアスタイルをベースにして、酸味と甘さのバランスがとれた味わいを表現したいです。

それから、ビールの副原料として使うハーブを自家栽培できるような準備も進めています。
今は近くの農家さんから仕入れているのですが、いずれは自分たちで育てたハーブを使って、飲み口の良い爽やかなビールを造れたら最高です。

どれも簡単なことではありませんが、私自身のビールへの想いを大切にしつつ、オリジナリティのあるビール造りにどんどん挑戦していきたいですね。

インタビュアー:最後に、これから醸造所の開業を目指す方へメッセージをお願いします。

花田様:最近はクラフトビール業界が盛り上がってきていて、これ自体はうれしいことなのですが、その分競争が激しくなっているのも事実です。
これから開業を目指すのであれば、自分自身の造りたいビールを明確にイメージして、それを軸に据えておかないと、ライバルたちに埋もれてしまうかもしれません。

すでに日本各地では多くのクラフトビール醸造所が誕生していて、当然それぞれの醸造所が知恵を絞ってオリジナリティあふれるビールを造っています。
飽和状態ともいえる業界に新たに参入するなら、ビール造りに対する信念と、「最後までとことんやりきる!」という強い覚悟が不可欠です。

そのうえで、ただ単に理想とするビールを造って終わりにするのではなく、自分自身の熱い想いをお客さまに届けるためのプロモーションにも力を入れる必要があります。
これを実践しないと、競争が激化しているクラフトビール業界で、ご自身の醸造所のビールを多くの方に認知してもらうだけでなく、実際に手に取ってもらうことは難しいはずです。
少し厳しい言い方になってしまいましたが、このような現実を冷静に見据えて、ときには仲間の力を借りながら、ご自身の思い描くビールを造っていくことが大切だと思います。

そうしたときに、スペントグレインさんなら、一人ひとりの醸造家の想いを的確に汲み取ったうえで、理想の醸造所の立ち上げに向けて最大限に寄り添ってくれます。
取り扱っている醸造設備は一級品ですし、設備の導入後も困ったことがあればすぐに相談に乗ってくれるので、とても頼りになる存在です。
これから醸造所の開業を目指していて、設備業者がまだ決まっていないのであれば、現役の醸造家の方が運営するスペントグレインさんを強く推薦しますよ。

醸造所の紹介

CAMOSI BREWING

大切な人との時間に寄り添えるようなビール造りをコンセプトに2023年に醸造を開始。 糸島の自然の力と様々な人たちからフィードバックされるカルチャーを詰め込んでいます。

醸造所のWEBサイトはこちらから

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