醸造スペースが上下階に分かれた構造だからこそ、求めていたのはシンプルで洗練された設備

  • 2025.05.29
  • 2025.05.29

導入事例~BALDYS GOOD BEER(ボルディーズグッドビア)様~

「一杯のビールが人と人をつなぐ、さまざまなカルチャーが交わる場所をつくりたい」
そんな熱いコンセプトを掲げ、東京都日本橋に開業したクラフトビール醸造所が、BALDYS GOOD BEER(ボルディーズグッドビア)様です。

同醸造所の代表を務める于 凱年(ゆう かいねん)様と、醸造長である中田 じゅんぺい様は、海外生活を送るなかでクラフトビール文化の奥深さに魅了され、ついには醸造所を開業するに至ったそうです。
国内で開催されるさまざまなイベントでは、シンプルで飲みやすいビアスタイルをベースとした多様なビールで、多くの人から称賛を獲得しています。

今回は、そんなBALDYS GOOD BEER様を牽引しているお二人にお話を伺いました。

インタビュアー:醸造所の開業にあたって、どのような設備を求めていたのでしょうか?

于様:まず前提として、私たちの醸造所は構造が少し特殊でして……。
ビール造りの拠点を都心部に構えたので、1フロアでは十分な広さを確保できず、醸造スペースを1階と2階に分けることにしたんです。
なので、フロアが分かれた状態でも使いやすく、作業効率が落ちない設備を求めていました。

また、2フロアに分けたとはいえ各階のスペースに余裕があるわけではないので、「横幅をとらない、最低限の機能だけを備えた設備が最適だ」と考えていました。

中田様:私も、「シンプルで使い勝手の良い設備なら、ビール造りがスムーズに進みそうだな」と思っていましたね。

私たちが理想とするのは、すっきりとした飲み口で、ついつい「もう一杯!」と手を伸ばしたくなるようなビールです。
食事とのペアリングも楽しんでもらいたいので、「苦みやアルコール度数をある程度抑えた、重すぎずクリアなビールを造りたい」と考えていました。
もちろん、それだけにこだわらず多様なビールの醸造にも取り組みますが、いずれにしても「レシピはシンプルにしよう」と計画していました。
そうした場合、手の込んだ醸造プロセスは省けるので、特別なカスタムは必要ないと思っていたんです。

ただ、私自身もこれまでに経験のない、上下階に分かれての醸造作業です……。
各階で十分なスペースがとれないからといって、「作業効率は犠牲にできない」と考えていたので、“一つひとつの作業をスムーズに行える設備”にはこだわりを持ちましたね。

インタビュアー:醸造設備を導入するにあたって、業者選びで重要視していたポイントはありますか?

中田様:とにかく、コミュニケーションがとりやすい業者を探していました。

私たちは、神奈川県内の醸造所でビール造りを学んだので、ビール醸造の知識と経験はありますが、醸造所を立ち上げるのは今回が初めてです。
設備に関してもそうですが、手続きや段取りなど、何もかもわからないことだらけで、まさに手探りでのスタートだったわけです。
さらに醸造スペースが上下2フロアに分かれた、国内でも珍しいタイプの醸造所なので、「どのような設備にして、どのように配置すべきか……」と頭を悩ませていました。

特に設備の選定と配置は極めて重要であると同時に、とても難しい問題でもあります。
ですが、私たちは醸造設備に関する知識が少ないので、とことん考え抜いても答えは出ませんでした。
特殊な構造の醸造所だからこそ、最適な答えを出すには醸造設備の専門家の力を借りることが不可欠だったんです。

そうなると、ベストな設備を導入できるかどうかは、設備業者とどれだけ円滑なコミュニケーションを図れるかにかかってきます。
レスポンスが速く、密にやり取りできることは最低条件として、こちらが疑問を投げかけたときに、具体的かつ実践的な意見を出してくれる業者が理想でしたね。

インタビュアー:醸造設備を導入するにあたって、スペントグレインを選んだ理由を教えてください。

于様:まさに、私たちが理想とする設備業者だと思ったからです。
それになんといっても、スペントグレインさんは現役の醸造家の方が運営されているということも大きかったですね。

実は開業にあたって、「業者選びの参考にするために話を聞いてみよう」と思い、仲間の醸造所をいくつか回ったんです。
そうしたところ、あちこちでスペントグレインさんの良い評判を耳にしまして。
どの醸造所でも「設備に関して困ったときもすぐに連絡がつく」「レスポンスが速くて相談もしやすいので助かっている」という高評価ばかりでした。
そして何より心を掴まれたのは、「ビール醸造の現場で今も活躍している醸造家の方がサポートしてくれるから、現場目線でのアドバイスがもらえる」というエピソードです。
実際の醸造現場で培ったリアルな意見をもらえるのは、「初めて醸造所を開業する私たちにとって大きなメリットだ!」と感じましたね。

こうした仲間からの意見を集めて、一度社内で話し合いの場を設けたんです。
コミュニケーションの円滑さと醸造設備に関する専門性の両面で、まさに私たちが求めていた設備業者の条件と合致しているとの意見がまとまり、すぐに依頼を決断しました。

中田様:私も于さんと一緒に仲間の元を訪ねて、スペントグレインさんが卸した設備を見て回ったんです。

行く先々で強く印象に残ったのは、一つとして同じ醸造設備はなく、それぞれが醸造家の想いを汲み取ってカスタマイズされた設備だったことです。
「こんなきめ細かな対応をしてくれる会社に、私たちの醸造設備もぜひお願いしたい!」と強く思いましたね。

インタビュアー:スペントグレインに依頼して良かったことはなんですか?

中田様:単刀直入に言うと、とても使い勝手の良い醸造設備を導入できたことですね。
1、2階でビールを造る構造上、ある程度の使い勝手の悪さは覚悟していたのですが、使いはじめると信じられないくらいスムーズにビールを醸造できて、本当に感動しました。

ぱっと見ただけではわかりづらいのですが、実際に導入した設備を手で動かしてみると、その利便性を実感するんです。
「なるほど、こうゆう仕組みになっているから使いやすいのか」「この部品がここにあるからスムーズにビールを造れるのか」と、当初は驚きの連続でした。

扱いやすい設備を導入できたおかげで、私が思い描いていた、すっきりとした味わいのビールをはじめ、多種多様なスタイルのビールを造れています。
理想に近いビール造りにぐっと近づいたので、スペントグレインさんに依頼して本当に良かったですね。

于様:醸造スペースが1、2階に分かれているにもかかわらず、ビール醸造がこれだけスムーズなのは、レイアウトが細部まで入念に考え込まれているからだと思います。
私たちの醸造所では、2階に仕込みタンクや煮沸タンクなどがあり、1階に貯酒タンクがあるのですが、仕込みからビールの移送までストレスを感じたことはありません。

いくつもの醸造所の立ち上げに関わってきたスペントグレインさんだからこそ、特殊な構造にも柔軟に対応できたのだと思いますね。
豊富な実績に裏付けられた確かな設計ノウハウと、現役の醸造家ならではのセンスで、醸造スペース全体を無駄なく見事にレイアウトしてくれたので、本当に感謝しています。

インタビュアー:現在使用しているなかで、特に気に入っている設備はありますか?

中田様:特に気に入っているのは、生産性を意識した醸造設備の導入によって、麦汁の糖化と、麦汁を循環させるリサーキュレーションという工程を効率化できている点です。

通常、糖化とリサーキュレーションは別々に行うことが多いのですが、私たちの醸造所ではこれらを同時にできるように調整してもらったんですよ。
具体的には、糖化を行うタンクの近くにポンプを設置してもらい、その力で麦汁を下からすくい上げ、上から戻すことで温度や濃度を均等にするという仕組みになっています。
このおかげで、仕込みの流れがスムーズになり、作業時間や労力の大幅な削減につながっているので大助かりです。

そうして捻出した時間を使って、次の仕込みの準備やレシピ開発を行えるので、全体の生産性が上がっているのはうれしいところですね。
さらに、「もっとおいしいビールを造るためにはどうしたらいいか?」という難題に向き合う時間を確保できているのも、醸造家としては非常にありがたいです。

インタビュアー:では、BALDYS GOOD BEER様の今後の展望をお聞かせください。

于様:私たちが造るビールが、音楽やアート、アウトドアといった多様なカルチャーを愛する人たちをつなぐ架け橋となるよう、尽力していきたいです。

実は、東京駅から徒歩1分ほどの場所に、私たちのビールを提供しているタップルームがあるんです。
そのタップルームを、“ジャンルレスなカルチャーが集まる交差点”のような場所にするのが現在の目標ですね。

この目標を掲げているのは、ビール醸造の修行期間中に見た光景に心を打たれたからなんです。
私が修行していた醸造所では、さまざまなカルチャーに影響を受けたお客さまがたくさん来店されていました。
違ったバックボーンを持つ方たちが、おいしいビールを求めて醸造所に集まり、交友関係の輪がどんどん広がっていくのを見て、心から感銘を受けたんです。
「ビールが取り持つジャンルを超えた交流の場……こんな場所を自分もつくってみたい!」という想いが、ふつふつと湧き上がってきたのを今でもよく覚えています。

このときに描いた夢を現実のものとするために、私たちが造るビールをきっかけに多種多様なカルチャーが交差して次の何かが生まれる、そんな場を提供したいと思っています。

中田様:于さんがおっしゃったことにくわえて、個人的には「より幅広い年齢層の方たちにクラフトビールの魅力を知ってもらいたい!」という想いもあります。
ですので、私たちが目指す理想のビアスタイルをベースにしつつ、それぞれの年代の方に好まれるビールを醸造していく予定です。
私たちが造るビールをきっかけに、老若男女を問わず人と人とがつながり、交流の輪が広がっていったら最高ですね。

インタビュアー:最後に、これから醸造所の開業を目指す方へメッセージをお願いします。

中田様:いきなり厳しい言い方になるかもしれませんが、知っておいてほしいのは、「クラフトビール醸造所を開業するのは簡単ではない」という現実です。

ただ単にビールを造っていれば成り立つわけではなく、事業として運営していくには、そのほかのことにも目を向ける必要があります。
たとえば、原材料の調達や品質管理をはじめ、帳簿の管理から備品の発注に至るまで、さまざまな業務が発生します。
これはビール造りやレシピ開発のみに力を入れてきた方が、醸造所を立ち上げてから必ずと言ってよいほど突き当たる壁なんですよ。
私自身も、まさにこの壁に直面して苦労しました。

ただ一つ言えるのは、こういった醸造所を運営するうえでの土台の部分まできちんと管理できてこそ、本物の醸造家だということです。
おいしいビールを造るためには、ビールに対する情熱を注ぐことは当然重要です。
ですが、事業として成り立たせるのであれば、醸造以外の側面にも目を向けることが大事だという点を覚えておいてほしいですね。

于様:私からも補足させていただくと、醸造所を運営するにあたり、資金をどのように管理・運用していくか……これがまた難しいポイントです。

醸造設備を揃えてビールを造ったところで、販売経路が整っていなければ売上を十分に確保できません。
これでは経営が傾くのはもちろん、新しいビールを造る資金も足りなくなってしまいます。
そうならないためにも、「どのようなお客さまに飲んでほしいのか」「造ったビールはどこに卸すのか」といった販売計画をあらかじめ固めておくことがとても大切なんですよ。
これから醸造所を開業するのであれば、最初に販売計画を含めた事業の全体像をしっかりと描いておくことを強くおすすめします。

事業計画が定まったら、いよいよ醸造設備の選定を始めることになりますが、その際はスペントグレインさんに依頼するのがベストだと思います。
現役の醸造家の方が運営しているので、ビール造りや醸造設備に関する十分な知識と、実体験に裏打ちされたノウハウがあります。
また、開業支援の実績が豊富なことから信頼感も絶大です。

スペントグレインさんなら、「ビール醸造家として独立したい!」という思いに寄り添い、その第一歩を全力で後押ししてくれるはずです。

醸造所の紹介

BALDYS GOOD BEER

Based in Nihonbashi Kabutocho 東京兜町のブルワリー

醸造所のWEBサイトはこちらから

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