ダブルドライホップとはどんなビール?その特徴を解説

近年、クラフトビールの中でもホップの風味を強調したスタイルが注目を集めています。
特にダブルドライホップを取り入れたビールは、独特な香りと風味が際立っています。

そこで本記事では、ドライホップやダブルドライホップの基礎知識、ビールの特徴について解説しています。
おすすめの銘柄も紹介していますので、新規事業や醸造所の拡大を検討中の方はぜひ参考にしてください。

【目次】

そもそもドライホップとは?

ドライホップとは、発酵中のビールにホップを加えることで、ホップ特有の香りをビールに付ける手法です。
通常、ビール醸造では麦汁を煮沸する際にホップを加えますが、この方法では熱により苦味成分が抽出される一方、香り成分が飛んでしまう場合があります。

一方で、ドライホップでは発酵中のタンク内にホップを直接投入するため、香り成分がしっかりとビールに残ります。

この手法は、香りを際立たせたいIPAやクラフトビールにおいて特に効果的で、ホップのフルーティーなアロマやフレッシュな香りを引き立てることが可能で、さらにドライホップの回数を増やすことで、複雑で奥深い香りを引き出すこともできます。

ドライホップを活用することで、独自性の高いビールを生み出し競争力を高められるでしょう。

ダブルドライホップの概要

ダブルドライホップとは、ビールの醸造中にホップを2回に分けて追加する製法を指します。
通常、ドライホップでは発酵中のビールにホップを1回投入しますが、ダブルドライホップでは異なるタイミングで2回ホップを追加し、より複雑で豊かな香りをビールに与えます。

この手法では、ホップの香気成分を最大限に活かすため、発酵温度やタイミングを調整して行います。
結果として、ホップのフルーティーで華やかな香りが引き立ち、奥行きのある風味を実現できるのです。

また、ホップの香りを重視するIPAやクラフトビールに多く採用され、特にホップの風味を好むビール愛好家に人気のスタイルです。
場合によっては3回に分けて追加する『トリプルドライホップ』や、さらに4回に分けることもあります。

ダブルドライホップでできたビールの特徴

まず特徴的なのは、ホップの豊かな香りです。
特にマンゴーやパイナップル、パッションフルーツといった南国フルーツを思わせるトロピカルな香りが際立っています。
さらに、ホップの苦味とモルトの甘さが絶妙なバランスを保ち、ビール全体の味わいに奥行きを与えます。

さらに、ダブルドライホップのビールはアルコール度数がやや高めで、飲み応えがあるのも特徴のひとつです。

ダブルドライホップ製法は、ビールの個性を強調し、他の製品との差別化を図るために効果的なアプローチです。
クラフトビールの幅を広げたいと考える醸造所にとって、魅力的な選択肢となります。

ホップの風味が好きな方におすすめなほかのビール

ホップの風味を存分に楽しめるビールスタイルは、ビール愛好家の間で高い人気を集めています。
その中でもダブルIPAとトリプルIPAは、ホップの個性を最大限に引き出した味わいが特徴です。

それぞれのスタイルの魅力について見ていきましょう。

ダブルIPA

ダブルIPAは、IPA(インディア・ペールエール)をさらに強化したスタイルです。
通常のIPAよりも多くのホップを使用し、アルコール度数も高めに設定されています。

その結果、ホップの苦味がより際立ち、華やかな香りと深い味わいが楽しめます。
フルーティーなアロマに加え、強烈な苦味とモルトの甘みが絶妙にバランスしたビールとして、ホップ好きの方に特におすすめです。

ダブルIPAはアルコール度数が7~8%とやや高めですが、飲み応えと芳醇な風味が魅力で、クラフトビールファンを惹きつけるビールです。
醸造所にとっても、独自の個性を表現する絶好のスタイルと言えるでしょう。

さらに、『DDH DIPA(ダブルドライホップ・ダブルIPA)』のようなスタイルでは、苦味と味わいの強さが一層際立ち、ホップ好きのビール愛好家から高い評価を集めています。

関連記事:DDH・DIPAとは?一般的なクラフトビールとの違いと特徴

トリプルIPA

トリプルIPAは、さらに強化されたIPAスタイルで、ホップの苦味と香りを最大限に引き出したビールです。
アルコール度数は9~12%にも及び、ビールの中でも特に高アルコールなフルボディのタイプとして知られています。

トリプルIPAの特徴は、力強い苦味とともに、ホップ由来のトロピカルフルーツのような香りや味わいが楽しめる点。
また、モルトの甘みが全体を包み込み、濃厚ながらもスッキリとした口当たりを実現しています。
この複雑なフレーバーは、ホップ愛好家や個性の強いビールを求める方に最適です。

醸造所においても、トリプルIPAはブランド力を高めるためのチャレンジングなスタイルとなり得ます。
他のビールとの差別化を図りたい場合、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

ダブルIPAとトリプルIPAの違い

ダブルIPAとトリプルIPAは、どちらもホップを存分に楽しめるビールスタイルですが、苦味の強さやアルコール度数に違いがあります。

ダブルIPAは、IBU(国際苦味単位)が70を超えるものが多く、ホップの苦味がしっかりと感じられるのが特徴。
一方、トリプルIPAはIBUが100を超える銘柄が一般的で、より強烈な苦味を楽しむことができます。
比較すると、一般的なラガービールのIBUは20程度であるため、これらのスタイルがいかに苦味を重視しているかがわかるでしょう。

さらに、アルコール度数にも違いが見られます。
ダブルIPAは7~8%程度のアルコール度数で、しっかりとした飲み応えを提供します。
それに対し、トリプルIPAは9~12%とさらに高く、ビールの中でも非常に濃厚なスタイルです。

高いアルコール度数により、モルトの甘みが際立ち、より複雑な味わいを楽しむことができます。

ダブルドライホップ・ダブルIPAのおすすめ銘柄

ダブルドライホップ(DDH)製法を用いたダブルIPAは、ホップの香りや風味を存分に楽しめるクラフトビールの中でも人気のスタイルです。

ここでは、国内外で注目されているおすすめ銘柄をご紹介します。
順番に見ていきましょう。

うちゅうブルーイング

山梨県北杜市に拠点を置く「うちゅうブルーイング」の「EARTH (DDH DIPA)」は、シトラ、ネクタロン、ピーチャリン、ラカウという4種類のホップを使用し、フルーティーな香りとクリーミーな口当たりを実現しています。

ピーチやパイナップルを連想させる芳醇な香りとバランスの良い苦味が、飲みやすさを引き立てています。
アルコール度数は8.5%で、しっかりとした飲み応えがありつつも軽やかに楽しむことができる一杯です。

地球の自然や美しさをテーマにしたユニークなコンセプトが特徴で、話題性の高い銘柄です。

反射炉ビヤ

静岡県伊豆の国市の「反射炉ビヤ」が手がける「DDH COOL IPA」は、最新鋭のホップを使用し、ワールプール工程を低温で行う独自の『COOL POOL製法』を採用しています。

この技術により、華やかな香りを最大限に引き出しつつ、ホップの渋みを抑えた飲みやすさを実現。
アルコール度数は6.5%で、軽快な口当たりと深いフレーバーを兼ね備えた最先端のDDH IPAです。

ホップの香りを重視しつつも、飲みやすさを追求したい方におすすめです。

BRULO(ブルーロ)

スコットランド発のブルワリー「BRULO(ブルーロ)」が提供するノンアルコールのDDH IPAは、シトラ、シムコー、モザイクの3種のホップを使用し、マンゴーやパイナップル、ピーチといった熟したトロピカルフルーツのフレーバーが特徴です。

フィルタリングを行わないため、ビール本来の風味や旨味が損なわれず、ノンアルコールながらも満足感のある味わいを楽しむことができます。
サウナなどの活動中にも楽しむことができる、新しいスタイルのビールとして注目を集めています。

Revision Brewing「DIPA」

アメリカ・ネバダ州の「Revision Brewing」が手がける「DIPA」は、ホップを贅沢に使用し、シトラスやグレープフルーツのような爽やかな香りを引き出しています。
アルコール度数8%ながら飲みやすさが際立っており、モルト由来の甘味が苦味をバランス良く引き立てています。

ホップの香りと味わいを最大限に楽しむことができる設計で、重厚感のあるダブルIPAを求める方に最適な一杯です。

箕面ビール「W-IPA」

大阪の名門ブルワリー「箕面ビール」が手がける「W-IPA」は、ホップの香りと濃厚なモルトのフレーバーが際立つストロングエールです。
アルコール度数9%で、通常の2.5倍のモルトとホップを使用しており、リッチで深い味わいが楽しめます。

アメリカンホップをふんだんに使い、ピーチや柑橘系の芳醇な香りと爽やかな苦味を実現。
食後や特別なシーンにゆっくり楽しむのにおすすめな贅沢な一杯です。
温度やグラスによって香りが変化するため、さまざまな楽しみ方ができます。

ラグニタス「マキシマス」

アメリカ・カリフォルニア州の「ラグニタス」が醸造する「マキシマス」は、クラシックなC系ホップを使用したアメリカンダブルIPAです。
アルコール度数は9%と高めで、柑橘系の香りが強く感じられます。

オレンジジュースやグレープフルーツを思わせる爽やかな香りと、しっかりとした苦味が絶妙に調和しています。
モルト感がありながらも飲みやすく、フレッシュなホップの風味を存分に楽しむことができます。

IPA好きやホップマニアに支持される銘柄で、クラシカルなスタイルを追求する方にもおすすめです。

リビジョン「Double IPA」

アメリカ・ネバダ州の「リビジョン」が手がける「Double IPA」は、SimcoeとMosaicホップをレイトホッピングで使用したダブルIPAです。
透き通った琥珀色の液体に白い泡が美しく乗り、松や樹脂の香りに加え、グレープフルーツやシトラスのフルーティーな香りが楽しめます。

アルコール度数8%と高めですが、ミディアムボディで飲みやすく、ドライなフィニッシュが特徴。
ホップの苦味とキャラメルやトーストを思わせるモルトの甘みが調和し、奥深い味わいを堪能することができます。

クラフトビールファンにとって、飲みやすさと複雑なフレーバーを兼ね備えた理想的な一杯です。

「ホップの苦みが苦手」という方には

ビールのホップの苦みが苦手という方でも楽しめるビールは多く存在します。
『苦い』というイメージを払拭するには、ホップの使用量や種類を工夫して苦味を抑え、フルーティーさや甘みを引き出すスタイルを選ぶことをおすすめします。

ここでは、ペールエールやヴァイツェンといった初心者にも飲みやすいビールを紹介します。

ペールエール

ペールエールは、スッキリとした味わいとフルーティーな香りが特徴のエールビールです。
一般的なラガービールに比べて苦味が控えめで、柑橘系の爽やかな香りを楽しむことができます。

特にアメリカン・ペールエールは、グレープフルーツやオレンジのような果実味をもつものが多く、ビール初心者にも親しみやすいスタイルです。
軽やかな飲み口ながらも香りが豊かで、ビールの新しい一面を感じられるでしょう。

ヴァイツェン

ヴァイツェンは、ドイツ発祥の小麦を使用したエールビールで、「白ビール」とも呼ばれるスタイルです。
ホップの苦味がほとんど感じられず、バナナやクローブを思わせる甘く華やかな香りが広がります。

見た目は白く濁った外観で、優しい口当たりと甘みがあり、ビールに苦手意識がある方にも飲みやすい仕上がりとなっています。
また、炭酸が控えめなため、リラックスタイムや軽いおつまみと合わせて楽しむのに最適です。

クラフトビールの新たな挑戦を支える「ダブルドライホップ」の魅力

いかがでしたでしょうか?ダブルドライホップビールについて、特徴や風味の魅力、製造方法のポイントなどをご理解いただけたかと思います。

ホップの香りを最大限に引き出すダブルドライホップは、クラフトビールの新たな可能性を切り開く革新的なアプローチとして注目を集めています。
ダブルIPAやトリプルIPAといったスタイルの違い、おすすめの銘柄も紹介しましたので、今後のビール作りの参考になれば幸いです。

マイクロブルワリーやクラフトビール醸造所の開業支援を行う「スペントグレイン」では、現役の醸造家が考案した、使いやすさと効率を重視した設備を提供しています。
独自性を追求したビールを生み出すための設備カスタマイズにも対応しています。新規事業や醸造所の拡大を検討している方は、ぜひスペントグレインにご相談ください。

この記事の監修者

監修者の写真

株式会社スペントグレイン
マーケティング担当者

兼 醸造アドバイザー/経営コンサルタント

<略歴>

大手経営コンサルティング会社へ就職し、地域経済の活性化に貢献するプロジェクトに多く携わり、食品やアルコールを通じた地域振興・施設開発を専門にコンサルティングを行う。経営アドバイザー・醸造アドバイザーとして地域密着型のクラフトビール事業の立ち上げから設備導入、経営戦略までを一貫して支援し、地元の特産品を活かしたビールづくりにも取り組んでいる。

<監修者から>

ビールの品質は、技術は当然のことながら、経営の安定からも生まれます。持続可能で収益性の高い事業運営を支援しながら、ビールの味わいを最大限に引き出すことが私の使命です。 良い設備がなければ、良いビールは生まれません。しかし、経営が安定してこそ、長期的に持続可能なビール文化を築けるのです。

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