クラフトビールの沈殿物の正体は?飲むうえでの問題や形・色について

ブルワリーの新規立ち上げや事業拡大を目指している方に向けて、クラフトビールの沈殿物について解説します。 完成したクラフトビールに沈殿物が見られることがあります。この沈殿物が『何なのか』『飲んでも問題がないのか』は、多くの方にとって気になるポイントでしょう。 そこでこの記事では、クラフトビールの沈殿物の正体や、飲んでも安全かどうかについて解説します。 参考にしていただければ、クラフトビールを求めるお客様に対しても納得のいく説明をしやすくなるでしょう。

【目次】

クラフトビールの沈殿物の正体は?

クラフトビールの沈殿物は、役割を終えて瓶の底に沈んだ酵母です。 「澱(おり)」とも呼ばれます。 ビール製造の発酵段階において、糖分をアルコールに変換するために必要な存在が酵母です。 しかし酵母は発酵が終わると活動を停止します。 そのためクラフトビールでは、役割を終えた酵母が栄養素を蓄えたまま沈殿物として残ります。

クラフトビールの澱(おり)は飲んでも問題ないのか

クラフトビールの沈殿物は、飲んでも問題ありません。 最初に解説したように、栄養素を蓄えた酵母であるため、ビールと一緒に飲めば栄養を摂取できるでしょう。 酵母はビタミンやミネラルを栄養素として活動し、栄養素を残したまま澱となります。 飲んでも問題はありませんが、ビールのクリアさが損なわれることも事実です。 見た目が濁ったり、雑味が感じられるため、好まない方もいます。 そのため人によっては澱を沈ませ、上澄み液のみを飲む方もいらっしゃいます。 一方で、澱によって風味が増すため、好む方もいます。 なお、澱には胃腸を活性化させる作用があるため、胃腸の弱い方は控えたほうがよいでしょう。 お腹を壊してしまう可能性があります。 クラフトビールの澱は飲んでも問題ありませんが、好みや体調に応じて判断してください。

クラフトビールの澱(おり)の色や形

それではクラフトビールの沈殿物である澱とはどのようなものでしょうか? 見たときにすぐに澱だとわかるよう、色や形についてご紹介します。 【澱の色や形】
  • 色:薄いグレー・茶色・黒色
  • 形:全体にモヤのように広がる・石のように固まる・瓶底で雪のように積もる
クラフトビールの沈殿物の色や形はさまざまです。 一般的には薄いグレーや茶色、黒色などのものが多いでしょう。 形はさまざまで、モヤのように全体に広がる場合や、瓶の底に雪のように積もる場合、石のように固まる場合もあります。 色や形はさまざまですが、クラフトビールの底に沈殿物があれば、それは澱と考えられます。

クラフトビールの沈殿物は活動を終えた酵母

いかがでしたでしょうか? この記事を読んでいただくことで、クラフトビールの沈殿物についてご理解いただけたと思います。 「澱」と呼ばれていて活動を終えた酵母が正体です。 飲んでも問題ありませんが、気になるようであれば上澄み液だけを飲みましょう。 スペントグレインでは澱のような、ビール製造におけるさまざまな問題についてアドバイスいたしております。 ブルワリー経営でお悩みのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

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株式会社スペントグレイン
マーケティング担当者

兼 醸造アドバイザー/経営コンサルタント

<略歴>

大手経営コンサルティング会社へ就職し、地域経済の活性化に貢献するプロジェクトに多く携わり、食品やアルコールを通じた地域振興・施設開発を専門にコンサルティングを行う。経営アドバイザー・醸造アドバイザーとして地域密着型のクラフトビール事業の立ち上げから設備導入、経営戦略までを一貫して支援し、地元の特産品を活かしたビールづくりにも取り組んでいる。

<監修者から>

ビールの品質は、技術は当然のことながら、経営の安定からも生まれます。持続可能で収益性の高い事業運営を支援しながら、ビールの味わいを最大限に引き出すことが私の使命です。 良い設備がなければ、良いビールは生まれません。しかし、経営が安定してこそ、長期的に持続可能なビール文化を築けるのです。

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