クラフトビールで客単価を上げるための5つのポイントを解説

近年人気が高まっているクラフトビールを製造して、レストランの一角にあるようなブルーパブで提供したいという事業者の方もいらっしゃるでしょう。
大手メーカーのビールに対し、個性的な味わいを売りにしたクラフトビールは、その利益率の高さも魅力で、客単価の向上も期待できます。

 

そこで本記事では、クラフトビールの客単価を上げる秘策を徹底解説します。
新戦略で売り上げを伸ばしたいとお考えの方は、ぜひご一読ください。

 

【目次】

クラフトビールの単価の目安

小さなブルワリーが併設されているレストランやビストロで提供されるクラフトビールの価格帯は、一般的に500~800円です。
小規模生産で流通量が少ないので、大手メーカーで大量に製造されるビールに比べると値段は高めです。

 

価格が高いからといって、「需要があるのだろうか……」と気にする必要はありません。
「ここでしか飲めない」「珍しい原料を使っている」など、希少性が高いことをアピールできれば、多少値が張ってもお客様は満足し、また来てくれるはずだからです。

クラフトビールはなぜ高く売れるのか

小規模なブルワリーで製造されるクラフトビールは、高品質な原料を使用していることや、手作業で行う製造プロセスを売りにしています。
なかには、地元の素材を原料に使用しているブルワリーもあり、独自性を追求した価値のあるビールを生産できるという、大手メーカーにも負けない強みを持っています。

 

そうしたプレミアム感によって、一般的なビールよりも高い値段で市場に流通しているのです。

クラフトビールの客単価をさらに上げるための5つのポイント

丹精込めて作り上げたプレミアムなビールですから、お客様に来店していただいた際は、たくさん飲んでほしいものですよね。
それには店側として、どんな工夫が必要なのでしょうか?

 

以下で、押さえておきたい5つのポイントを解説します。

ポイント①容量や銘柄で価格帯を増やす

同じクラフトビールを提供するにしても、容量と価格帯にバリエーションをもたせることで、より多くのお客様に注文してもらえ、客単価を上げられる可能性があります。

 

クラフトビールは少量醸造ゆえ、その希少性から原価が高くなりがちですが、お客様によっては敷居の高さを感じて、なかなか注文できないことも考えられます。
そこで、たとえば、ハーフサイズを提供することで、気軽にトライしてもらえることが期待できるわけです。

 

このとき、ハーフサイズの値段は従来の50%よりも若干高めに設定するとよいでしょう。
利益率が良くレギュラーサイズのお得感を感じさせることができるからです。

 

さらに、提供するビールのバラエティを増やし、価格帯にばらつきを持たせれば、お客様の興味を引くことも可能です。

関連記事:クラフトビール市場におけるマーケティングのコツを解説

ポイント②キャッシュレス決済に対応する

カード決済やバーコード決済といったキャッシュレス決済を導入すれば、客単価の向上につながるかもしれません。
なぜなら、現金によらない決済方法であれば、財布の中身と見比べる必要がないため、金額の大きさが気になりにくいという人間の心理がはたらくからです。

 

また、キャッシュレス会社のキャンペーンに参加加盟店として登録すれば、キャッシュレスを利用する方が増え、より多くの客単価アップが見込めるでしょう。

ポイント③メニューを工夫する

お店で提供するメニューを工夫することでも、客単価アップにつながります。

 

流通しているクラフトビールの種類は多種多様で、今このときも新しいビールは世に生み出されています。
「飲んだことのないビールを飲んでみたい!」という消費者のニーズに応えるため、少量で複数のビールを楽しめる“飲み比べセット”を用意すれば好評でしょう。
その際は、味が偏らないようなビールを複数ラインナップするのがポイントです。

 

メニューの見せ方も力の入れどころです。
クラフトビールの風味の特徴がメニューにイラスト入りで記載してあれば、消費者側が味をイメージしやすくなり、注文につながります。

 

さらに、クラフトビールに合うメニューの開発と提供にも力を入れたいところです。
「ビール×つまみ」の王道コンボを想像して、クラフトビールにぴったりなおつまみをメニューに組み込みましょう。

 

たとえば、ビールの本場ドイツでは、“ソーセージ”が最強の組み合わせとして親しまれていますよね。
このソーセージの香辛料としょっぱさが、ついついビールがすすんでしまう決め手となるので、塩味の効いたおつまみの提供は外せません。

 

ソーセージに限らず、ワイルドな肉料理をメインにするなど、塩味の効いたメニューを充実させられれば、選択肢が増えるので売上アップが期待できます。

ポイント④クロスセルを実施する

商品を考えるうえでは、「クロスセル」の検討も外せません。
クロスセルとは、購入を検討している商品の関連をおすすめして、一緒に購入してもらう方法です。

 

クラフトビールの販売に応用するならば、店内で提供しているクラフトビールを持ち帰り可能にするといった方法はいかがでしょうか?
これには、「グラウラー」というビールを持ち帰るための容器を販売します。
グラウラーは、ビールの温度を保ったまま炭酸をキープできる優れもので、好きなタイミングでビールを楽しめる、ビール愛好家には堪らない便利な容器です。

 

珍しいクラフトビールが、ご自宅でも楽しめるとなれば付加価値が上がり、「せっかくならば!」と“ついで買い”してもらえる可能性がぐっと上がります。

ポイント⑤販売形態を変える

キッチンカーなどで、多くの人出が見込まれるイベントに出店できれば、大きな利益が見込めます。
特にフェスやイベントでは、来場者が開放的な気分になりやすいので、ビールなどのお酒の売れ行きが良くなります。

 

たくさんの人を集客し、SNSなどでも取り上げられれば、注目されること間違いありません。

ブルーパブ経営を軌道に乗せるには

ここまでで、レストランと小規模なブルワリーを一体経営することを想定している事業者の方に、ブルーパブにおける客単価アップの秘訣を解説しました。

 

もちろん、ブルワリーである以上、醸造技術や原料にとことんこだわり、ビール自体の特別感を演出する必要があります。
それだけでなく、これらのバランスを取りながら、コストを管理して利益を最大化しなければなりません。
これは、エネルギー効率の良い機器の使用や、廃棄物を最小化することによって実現可能です。

 

さらに、ブランド認知度を高めることも忘れてはなりません。
ぱっと目につくデザインや、生産地をイメージできるようなネーミングを採用すれば、話題性を高めるのに有効です。

 

近頃は、SNSを活用したマーケティングに力を入れている生産者も増えています。
“人に刺さるPR”をSNS上で行うのは、若い層のファンを獲得する絶好の機会となるでしょう。

このように事業を多角的に分析して、売れる戦略を立てていくことが大切です。

クラフトビールの特徴を活かして、客単価を上げる工夫をしましょう

今回の記事では、“限られた生産者から少量だけ製造される”クラフトビールの希少性を活かして、客単価を上げるポイントを紹介しました。

 

クラフトビールは、質の高い原料と、ブルワーこだわりの手作り製法で、一般的なビールよりも高い値段で売ることが可能です。
ただし、売上を伸ばすためにはそれだけでなく、ビールのお供となるメニューを開発したり、イベントに出店したりといった工夫も欠かせません。

 

マイクロブルワリー、クラフトビール開業支援のスペントグレインでは、レストランやビストロの一角で始められるような、小規模なブルワリーの開業を全力でサポートしています。
ブルワー目線でこだわった醸造設備の販売から施工工事までも行っていますので、ぜひ弊社にご相談ください。

この記事の監修者

監修者の写真

株式会社スペントグレイン
マーケティング担当者

兼 醸造アドバイザー/経営コンサルタント

<略歴>

大手経営コンサルティング会社へ就職し、地域経済の活性化に貢献するプロジェクトに多く携わり、食品やアルコールを通じた地域振興・施設開発を専門にコンサルティングを行う。経営アドバイザー・醸造アドバイザーとして地域密着型のクラフトビール事業の立ち上げから設備導入、経営戦略までを一貫して支援し、地元の特産品を活かしたビールづくりにも取り組んでいる。

<監修者から>

ビールの品質は、技術は当然のことながら、経営の安定からも生まれます。持続可能で収益性の高い事業運営を支援しながら、ビールの味わいを最大限に引き出すことが私の使命です。 良い設備がなければ、良いビールは生まれません。しかし、経営が安定してこそ、長期的に持続可能なビール文化を築けるのです。

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