日本におけるクラフトビールの売上の傾向を解説

近年、ビール市場が縮小しているなか、クラフトビールは盛り上がりを見せています。
「なぜそんなに人気があるの?」「どんなクラフトビールの売上が高いの?」と好調の背景や実情を知りたい方も多いでしょう。

本記事では、クラフトビールの概要から、流行りのフレーバー、売れ筋までを詳しく解説します。
クラフトビールの売上の傾向を知り、クラフトビールビジネスに活かしたいとお考えの方はぜひご一読ください。

【目次】

クラフトビールの概要

クラフトビールとは、小規模の醸造所で作られる、個性的なビールを指します。
大規模の醸造所で作られるビールとは違った、小規模ならではのこだわりや遊び心が、ふんだんに詰まった点が魅力です。

かつてブームになった地ビールも、小規模の醸造所で作られるため、クラフトビールとどのように違うのか疑問に思う方も多いでしょう。
経緯としては、1994年に小規模のビール醸造所が生まれ、そこで作られたビールが地ビールとして人気を得ましたが、一過性のブームで終わってしまいました。
その後、アメリカでクラフトビールが評判になり、その流れを受け、地ビールが“日本のクラフトビール”として再評価されるようになったわけです。

クラフトビールのクラフトは、工芸品(クラフト)からきており、ビールに作り手の情熱が込められていることを象徴しています。
また、クラフトマンシップ=職人芸といった意味合いも込められていて、大量生産品との差別化を表しています。

近年は、ますます個性的で魅力的なクラフトビールが増えており、今後もクラフトビール市場から目が離せません。

日本におけるクラフトビールのマーケットの変化・トレンド

日本のクラフトビールの市場は盛り上がりを見せており、2020年から2023年にかけて、市場規模は約20%の成長率を記録しています。
ここまでの成長を遂げた理由としては、消費者のニーズの変化が挙げられます。
「大手メーカーが作る画一的な商品ではなく、自分の好みに合った商品を選びたい」という、現代の潮流にマッチしているわけです。

消費者の嗜好に合わせて、クラフトビールのトレンドも、日々変化しています。
多様化がさらに進み、抹茶や柚子、紅しょうがなど、日本の伝統的な食材やスパイスを取り入れたビールを見かけるようになりました。
こういった新たな組み合わせは、今までにない、新鮮な風味や味わいを生み、消費者から高く評価されています。

クラフトビールブームの波に乗るべく、大手ビールメーカーもクラフトビール市場に参入しています。
たとえば、キリンビールは『SPRING VALLEY』、サントリーは『東京クラフト』といったブランドを展開し、大きく市場を牽引するかたちになりました。

このように、クラフトビール市場は変化と発展を続け、今後も一層成長すると期待されています

日本発!売れている人気のクラフトビール5選

「クラフトビールを作るにあたって、売れているビールを参考にしたい」という方のために、ここからは、日本で作られている人気のクラフトビールを5つ紹介します。

①よなよなエール

クラフトビールの老舗、ヤッホーブルーイングが作る『よなよなエール』は、飲んだ瞬間にオレンジやマスカットといったフルーティーな甘味が口に広がります。
苦味は強めですが、全体的なバランスが良く、飽きのこない味わいです。

②銀河高原ビール

『銀河高原ビール』も、ヤッホーブルーイングから販売されているクラフトビールです。
特徴としては、バナナのような芳醇な香りで、口当たりはまろやかでコクがあるという点が挙げられます。
苦味が少ないため、一般的なビールが嫌いな方にもおすすめです。

③軽井沢ビール

缶のデザインに、画家の千住博氏の『星のふる夜に』という絵画を用いた、情景溢れるクラフト缶ビールが『軽井沢ビール』です。
バナナのようなフルーティーさが印象に残る、のどごしが柔らかい飲み口が特徴です。

④東京クラフト

『東京クラフト』には、北米産のカスケードホップがふんだんに使用されています。
フタを開けると、柑橘系のフルーティーな香りが広がります。
質の良い苦味があるため「ビールには苦味も欲しい!」という方は、ぜひ一度手に取ってみてください。

⑤SPRING VALLEY

『SPRING VALLEY』は、海外産ホップと日本産ホップが組み合わさった、香り豊かなクラフトビールです。
苦味を抑えたいときには泡を多めに、苦味を感じたいときは泡を少なく注ぐなど、注ぎ方によって味わいが変化するのが大きな特徴です。
甘味、酸味、苦味の絶妙なバランスと、飲み終わりの深い余韻を楽しめます。

クラフトビールはなぜ人気なのか

勢いが止まらないクラフトビール、人気の理由が気になりますよね。
まず理由として挙げられるのが、地域性や独自性に特化しており、特定の地域や店舗でしか飲めないという“特別感”がある点です。
最近は都内でもクラフトビールを扱う店が増えてきていますが、店によってビールの個性は異なり、同じものは一つとしてありません。

次に、“飲みやすさ”も大きな理由の一つです。
クラフトビールのなかには、飲みやすさを重視して作られた、フルーティーで甘味があるビールもあります。
もともとビールが好きな人だけではなく、苦味のあるビールに苦手意識をもつ人たちにも人気を博しているからこそ、クラフトビールは世間に広まったのです。

関連記事:クラフトビール市場におけるマーケティングのコツを解説

日本のクラフトビールの売上の傾向を知り事業に活かそう

今回は、日本のクラフトビール市場における、トレンドや売上の傾向について解説しました。

クラフトビール市場はここ数年で大きく変化し、大手のビールメーカーが参入するほどの賑わいを見せています。
ここまでの盛り上がりを見せた背景には、クラフトビールにはフルーティーで飲みやすいタイプが多いという特徴があります。
この傾向を理解したうえで、クラフトビールを作る際の方向性を固めていきましょう。

マイクロブルワリー、クラフトビール開業支援のスペントグレインは、クラフトビール事業を始めたい方へのサポートを全力で行っています。
高品質なビールを醸造できる、醸造設備を各種取り扱っておりますので、こだわりの詰まったおいしいビールを作りたい方は、気軽にご相談ください。

この記事の監修者

監修者の写真

株式会社スペントグレイン
マーケティング担当者

兼 醸造アドバイザー/経営コンサルタント

<略歴>

大手経営コンサルティング会社へ就職し、地域経済の活性化に貢献するプロジェクトに多く携わり、食品やアルコールを通じた地域振興・施設開発を専門にコンサルティングを行う。経営アドバイザー・醸造アドバイザーとして地域密着型のクラフトビール事業の立ち上げから設備導入、経営戦略までを一貫して支援し、地元の特産品を活かしたビールづくりにも取り組んでいる。

<監修者から>

ビールの品質は、技術は当然のことながら、経営の安定からも生まれます。持続可能で収益性の高い事業運営を支援しながら、ビールの味わいを最大限に引き出すことが私の使命です。 良い設備がなければ、良いビールは生まれません。しかし、経営が安定してこそ、長期的に持続可能なビール文化を築けるのです。

一生に一度のお買い物、
プロの醸造家の信頼と実績で

無料でお客様のご要望をヒアリングしたうえで、
ご提案させていただきます。
お気軽にご相談ください。

無料で簡単に

相談する

現役ヘッドブルワーのノウハウが詰まった

資料をダウンロードする