ビールの比重が下がらない!4つの原因と発酵停滞を防ぐための方法
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- 2025.02.21
- 2025.02.21

【目次】
ビールの比重が下がらない!発酵の停滞とは?
ビールの比重が下がらない状態、すなわち『発酵の停滞』とは、酵母による糖分からアルコールへの変換が途中で止まってしまうことを指します。 通常であれば、添加した酵母がビールの中に含まれる糖分を、アルコールへと変換します。 しかしさまざまな原因によって、発酵が停滞し、変換が止まってしまうことも。 糖分からアルコールへの変換がとどまると、発酵が停滞している状態になります。 pHの低下が見られない場合は、発酵の停滞が起きている可能性があります。ビールの発酵が停滞する原因
それではなぜ発酵が停滞している状態になるのでしょうか? 原因はおもに次の4つです。原因①酵母の健康状態の悪さ
まずは酵母が不健康な状態になっていることです。 ビールの発酵には、酵母の健康状態が重要です。 たとえば酵母の死骸が多かったり、健康状態が悪かったり、酵母の細胞数が足りなかったりすると発酵が停滞しやすくなります。 酵母は生きている発酵菌であり、活動することにより発酵が促されます。 健康な酵母を投入しなければ、比重が下がらず発酵が停滞する原因となります。原因②栄養の不足
栄養が不足していて、酵母の働きが悪くなることも原因のひとつです。 麦汁の中の栄養素が不足していると、酵母の活性が悪くなることもあるでしょう。 たとえ酵母が健康な状態であっても、活動するために必要な栄養素を得られなければ発酵は進みません。 酵母に必要な栄養素には、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などがあります。また、長鎖不飽和脂肪酸やステロールは酵母の生存率を高め、発酵停滞を防ぎます。 発酵が停滞している場合、麦汁の中に酵母にとって必要な栄養素があるか確認してみてください。原因③温度管理の不備
発酵停滞の原因の一つに温度管理の不備があります。 温度が適切でない場合、酵母の活性が低下し発酵が進みにくくなります。 発酵に適した温度は諸説ありますが、一般的には以下の温度が目安とされています。 【酵母の好む温度[1]】- エール酵母:20℃前後
- ラガー酵母:10℃前後
原因④酸素レベルの低さ
ビール比重が下がらないときに考えられることとして、酵母レベルが低いこともあげられます。 酵母は成長と繁殖のため酸素を必要とします。 そのため発酵の初期段階において酸素が少ないと、十分な発酵が行えないことも少なくありません。 酵母は酸素を使ってエネルギーを生成するため、発酵初期には人間と同様に酸素を必要とします[2]。 ただし酵母が働くビール樽の中の酸素量は限られているもの。 そのため発酵の最初の段階では酸素を必要とし、後半では酸素を必要としなくなる性質へと切り替えます[2]。 ビール樽内の酸素量は限られていますが、発酵初期には酸素が十分に必要です。 発酵初期に十分な酸素を供給することで、比重が下がらないリスクを軽減できます。ビールの発酵停滞を防ぐ方法
それでは最後に、ビールの発酵停滞を防ぐための3つの方法についてご紹介していきます。 発酵停滞によってお悩みでしたら、次の3つの方法を試してみてください。方法1:適切な衛生管理と清掃を行う
まず欠かせないのが、適切な衛生管理と清掃です。 発酵のためには、発酵を阻害する汚れを防がなければなりません。 汚れや余計な細菌が付着していると、酵母による発酵がさまたげられる可能性が高まるためです。 ビールを製造する際には、使用するすべての器具を洗浄したり消毒したりしましょう。 容器は42℃以下から氷点下までの適切な温度で管理し、使用前に必ず滅菌を行うことで、適切な発酵環境を維持できます。 製造の前には器具の清掃や滅菌を欠かさないようにし、酵母がしっかりと活性できる状態を作り出してください。方法2:高品質の酵母を使用する
高品質の酵母を使用することも方法のひとつです。 ビールの比重が下がらない原因のひとつとして、酵母の健康状態が良くないことをあげました。 品質の低い酵母を使用すると、不健康な酵母が混じっていることがあり、発酵の停滞が起こりやすくなるかもしれません。 健康な酵母で発酵を十分に行うには、高品質の酵母を使用することが重要となります。 また製造したいビールのスタイルにあった酵母を選ぶことも必要でしょう。 発酵は酵母によって行われ、ビールの完成度を左右します。 高品質な酵母を使用することは、目指すビールスタイルを実現するための重要なポイントです。方法3:十分な酸素を供給する
発酵初期には十分な酸素を供給することが重要です。 先に解説したように、酵母の活性を促すには、発酵初期には酸素が十分に供給される必要があります。 酵母に酸素を供給するためには、撹拌する方法と、エアレーションストーンを使用する方法の2つがあります。 撹拌は手軽に始められる方法です。 発酵が始まるころに、発酵槽を静かに撹拌して酸素を送り込むだけで特別な装置は必要ありません。 エアレーションストーンは酸素を供給するための装置です。 酸素レギュレーターやポンプを使って接続します。 装置の購入は必要となりますが、安定した酸素供給を行える点がメリットです。 ご紹介したいずれかの方法を試してみてください。 酸素不足を解消することで、発酵停滞のリスクを軽減できるでしょう。ビールの比重が下がらないなら原因別に対処を
いかがでしたでしょうか? この記事を読んでいただくことで、ビールの比重が下がらない原因がご理解いただけたと思います。 ビールの比重が下がらないのは発酵停滞であって、酸素不足や酵母の健康不良、温度管理の不備などが原因です。 しかしなぜ発酵停滞になるのか、原因がわからなかったり、対処しきれなかったりすることもあるでしょう。 スペントグレインでは、ブルワリーに関するさまざまなサポートをご提供しております。 ビール製造に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 [1] [2]この記事の監修者

株式会社スペントグレイン
マーケティング担当者
兼 醸造アドバイザー/経営コンサルタント
<略歴>
大手経営コンサルティング会社へ就職し、地域経済の活性化に貢献するプロジェクトに多く携わり、食品やアルコールを通じた地域振興・施設開発を専門にコンサルティングを行う。経営アドバイザー・醸造アドバイザーとして地域密着型のクラフトビール事業の立ち上げから設備導入、経営戦略までを一貫して支援し、地元の特産品を活かしたビールづくりにも取り組んでいる。
<監修者から>
ビールの品質は、技術は当然のことながら、経営の安定からも生まれます。持続可能で収益性の高い事業運営を支援しながら、ビールの味わいを最大限に引き出すことが私の使命です。 良い設備がなければ、良いビールは生まれません。しかし、経営が安定してこそ、長期的に持続可能なビール文化を築けるのです。