多様性のあるビール造りのために求めていたのは、品質と価格のバランスがとれた設備
- 2025.02.28
- 2025.04.18

導入事例~Passific Brewing(パシフィックブリューイング)様~
パシフィックブリューイング様は、2021年に神奈川県茅ケ崎市で開業したクラフトビール醸造所です。
クラフトビールの代表的なスタイルをベースに、自家栽培のハーブや、各地の仲間の元から取り寄せた副原料を使用して、多種多様なビールを醸造しています。
このような経営のかたちは「人や街、自然とのつながりを大切にしたい」という同醸造所の想いをまさに体現されており、多くのクラフトビールファンの心を掴んでいます。
今回は、そんなパシフィックブリューイングの代表を務めている、大庭 陸様にお話を伺いました。
インタビュアー:パシフィックブリューイング様では、どのような醸造設備を探していたのでしょうか?
大庭様:醸造所の開業にあたって、導入する設備には多種多様なビールを醸造できる柔軟性を求めていました。
私たちは一つのビアスタイルに特化するのではなく、バラエティに富んだクラフトビールの醸造を目指しているからです。
クラフトビールを造るうえでの醍醐味は、多様な製法を用いて、ラガーやIPAといったさまざまなビールを醸造できることです。
製法にこだわるだけではなく、ハーブや果物などの副原料にも目を向けることで、多彩な味わいを表現できます。
たとえば、苦い・甘いといった味はもちろん、アルコール度数を高くすれば飲みごたえのあるクラフトビールになりますし、逆に度数を低くして飲みやすくすることもできます。
つまり醸造家次第で、どのようなクラフトビールでも造れるわけですね。
この多様性が、ビール醸造の面白さの一つであり、私たちが大事にしていることでもあります。
ただ、それを実現するには、どのような工程にも対応できる醸造設備が欠かせません。
ひと口に醸造設備といってもピンキリなので、安い設備を選ぶと、設備自体の品質が悪かったり、仕様が異なるものが届いたりすることがあるんです。
反対に、設備にお金をかければ、醸造工程ごとに専用の窯を購入できるので、作業効率や仕込みの質も上がりますし、より柔軟にビールを醸造できます。
これらを加味したうえで、豊富な種類のビールを醸造できる設備を導入するために、予算も踏まえて最適な設備を選ぶ必要があったんです。
そこで、いくつかの設備メーカーに見積もりを依頼しつつ、スペントグレインさんにも声をかけさせていただきました。
インタビュアー:醸造設備を購入するにあたって、スペントグレインを選んだ理由を教えてください。
大庭様:私たちが求めていた通りの、品質と価格のバランスがとれた柔軟性の高い醸造設備をご提案いただいたことが、スペントグレインさんを選んだ一番の理由ですね。
せっかく醸造所を開業するなら、当然、「設備にはとことんこだわりたい!」と思います。
かといって、設備の品質を重視しすぎると予算オーバーになってしまいます。
これは醸造所を開業する誰もが直面する壁だと思いますが、スペントグレインさんは予算内に収めつつ、必要な機能が備わった設備を提案してくれたんです。
醸造設備を選ぶにあたって、私たちのほうから色々と要望を伝えていたのですが、やり取りを重ねるなかで、私にはない観点から多くのアドバイスをいただきました。
予算もそうですがスペースにも限りがあったので、どこまで実現可能か、そのためには何が必要か、不必要か……といった点で相談に乗ってもらったんです。
私自身のこだわりが強く、正直、無茶な要望もあったと思いますが、スペントグレインさんはそのすべてを理解してくれました。
ほかにも数社から見積もりをとっていましたが、ここまで踏み込んだ話ができたのはスペントグレインさんだけです。
そうして完璧な設備を提案してくれたわけですが、これは現役の醸造家が代表を務めているスペントグレインさんだからこそ、できることではないかと思います。
開業にあたって不安なことも多々ありましたが、「この人たちなら任せられる」という信頼と安心感があったのも、スペントグレインさんを選んだ理由の一つですね。
インタビュアー:スペントグレインに依頼してよかったことはなんですか?
大庭様:スペントグレインさんは“醸造家の目線”で対応してくれるので、設備導入までのやり取りがとにかくスムーズだったことです。
私たちの要望をすぐに理解して、最適な設備を過不足なく提案してくれたおかげで、設備を選ぶ時間を短縮できたうえ、納得のいくものを導入できました。
一般的な設備メーカーは、設備に関する知識量は申し分ないのですが、ビール醸造についてはそこまで詳しくない場合が多いんです。
その点スペントグレインさんは現役の醸造家ですから、ビール醸造に関わる全般的な知識が豊富なので、私たちが考えていることを的確に汲み取ってくれるんですよ。
同じ目線で話を進められたので、大きな食い違いもなく、設備の導入までが非常にスムーズでしたね。
結果的に、欲しかった機能もすべて揃っていて、多種多様なクラフトビールを造りたい! という私たちの想いをかたちにできていると実感しています。
ほかにも、醸造設備は物理的に大きいものなので、配置にも注意しなければならないのですが、この点でもスペントグレインさんには助けられました。
実は、当初計画していたよりも小さな物件で醸造所を開業することになったんです。
広さにして22坪という限られた空間のなかで、効率よく作業するにはどのような配置にすればいいのか、といった点の判断は、素人にはなかなか難しいところがあります。
設備の配置によっては、導線が悪くなって力仕事が増えたり、複数人での作業がしにくくなったりするので、簡単には決められませんでした。
どうしたものか……と頭を悩ませてしまったのですが、スペントグレインさんの適格なアドバイスがあったおかげで、作業しやすい環境を整えることができたんです。
ビール醸造では安全面や効率面への配慮も重要ですので、設備・作業環境ともに「まさに私たちが求めていたものだな……!」と感動しました。
インタビュアー:現状の設備で特に気に入っているところはありますか?
大庭様:ドイツの伝統的な麦芽の糖化方法である、“デコクションマッシング”という製法を取り入れるため、スペントグレインさんに醸造設備をカスタムしてもらったんです。
この設備があることで、パシフィックブリューイングならではの味づくりができるようになって、他社との差別化も叶ったので、とても気に入っています。
デコクションマッシングは古い製法ということもあって、最近では取り入れている醸造所が少ないんですね。
私たちはそこに目を付けて、「やっている人が少ないなら、うちでデコクションマッシングをやって強みにしよう!」と意気込んでいたわけです。
ただ、普通の醸造設備ではこの製法は実現不可能だったので、スペントグレインさんに相談して設備をカスタムしてもらいました。
デコクションマッシングを用いて醸造したクラフトビールは、麦芽の風味をより感じられる力強い一杯に仕上がるので、パシフィックブリューイングでも人気の商品なんですよ。
インタビュアー:では、パシフィックブリューイング様の今後の展望をお聞かせください。
大庭様:近いところでは2025年から、750mlの大瓶にビールを充填して、瓶の中で二次発酵させながら熟成を楽しめるような商品を作ろうと考えています。
これでまた一つ、パシフィックブリューイングの多様性を表現できると思うので、私自身、この仕込みを始めるのが非常に楽しみです。
中長期的な展望としては、茅ケ崎市以外のエリアでもう一つの醸造所を立ち上げて、そこでは木の樽で1~2年かけてビールを醸造する計画を立てています。
今のパシフィックブリューイングの環境だと実現が難しいので、新たな挑戦といったところですね。
そのときは、特殊な醸造設備が必要になるはずなので、またスペントグレインさんにお願いしようと思っています。
インタビュアー:最後に、これから醸造所の開業を目指す方へメッセージをお願いします。
大庭様:私は元々クラフトビールが大好きで、「いつか自分の手で、おいしいビールを造りたい!」と思い、この業界に飛び込みました。
ビール醸造を通じてたくさんの仲間と出会うことができ、互いに切磋琢磨しながら成長していけるこの職業を、心の底から気に入っています。
大変なことももちろん多いのですが、醸造所の開業を目指す方々にはご自身の「好き」という気持ちに正直になって、その道をまっすぐに突き進んでほしいな、と思いますね。
もう一つ大切なことは、醸造設備をはじめとしたハード面と、知識や経験などのソフト面のどちらもカバーすることではないでしょうか。
高品質な設備があれば、誰でも美味しいビールが造れるか? といったら、そうとは言えませんよね。
当然、ビール造りの知識が必要ですし、技術も求められますので、そうしたときにスペントグレインさんが非常に頼もしい存在になってくれると思います。
クラフトビール醸造所の開業支援も手掛けているので、ハード面とソフト面の両方をサポートしてくれます。
なおかつ、現役の醸造家というバックグラウンドもあるので、醸造経験者・未経験者を問わず、スペントグレインさんを頼ってほしいですね。
醸造所の紹介

PASSIFIC BREWING
Pass(峠)とPacific(太平洋)あわせて、Passific。 海と山にルーツをもつ僕らの思いを名前に込めました。 旅の過程で出会う人や街、自然との繋がりを大切にし、 それらが一つになるようなビールを造り続けます。

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