小麦が原料の「白ビール」とは?味わい・香りの特徴と魅力について
- 原材料
- 2025.02.21
- 2025.08.01

ブルワリーの新規立ち上げや事業拡大を検討されている方に向けて、小麦が原料のビールについて解説します。
麦には多くの種類がありますが、なぜビールには大麦が使用されるのでしょうか?
小麦を使うビールはないのでしょうか?
実は原料として小麦を使用するビールは存在しており、「白ビール」と呼ばれています。
今回の記事では白ビールの味わいや香りの特徴と魅力について解説します。
この記事を参考に、ビール製造の幅を広げるヒントにしてください。
【目次】
- ビールの原料に小麦は使われる?
- 白ビールとは
- 白色ではないのに白ビールとよぶ理由
- 代表的な白ビールのビアスタイル
- 白ビールはコンビニやスーパーでも買える
- 小麦を原料とした白ビールの独特な魅力
ビールの原料に小麦は使われる?
ビールの原料に小麦が使われることもあります。
もともと主な原料は大麦ですが、「白ビール」と呼ばれる種類のビールでは小麦が原料です。
白ビールは「ホワイトビール」「ウィートビール」と呼ばれることもあります。
小麦はビールの原料として、少々扱いが難しいことは否めません。
しかし小麦に含まれるタンパク質であるグルテンにより、泡持ちが良いメリットもあります。
酸味が強く、喉越しが爽やかであることも特徴のひとつです。
以上のように、ビールの原料として小麦が使われるケースは稀で、おもに大麦が使用されます。
白ビールとは
小麦が原料となる白ビールとは、色が明るく、爽やかな味わいが特徴のビールです。
原料には大麦麦芽に加え、小麦麦芽、小麦が多く使用されることが特徴的。
フルーティーな香りがあり、苦みが少ないため、ビールの苦みが苦手な方にとっても飲みやすいでしょう。
また泡持ちが良く、風味が失われにくいことも白ビールの秀でた点と言えます。
白ビールという名前ですが、実際には白いわけではなく、琥珀色や黄金色に近い明るい色合いです。
白ビールとは、小麦を多く使い、フルーティーな香りや爽やかさ、明るい色が特徴のビールです。
白色ではないのに白ビールとよぶ理由
白ビールが白色ではないのにこの名がついたのは、当時のビールが濃い色だったことに由来します。
白ビールが誕生したころには、濃い色味のビールが主流でした。
今で言えば「黒ビール」と呼ばれる黒褐色のビールがほとんどであった中、黄金色のビールは画期的なもの。
そのため薄い色が「白」とされ、白ビールと名付けられたそうです。
代表的な白ビールのビアスタイル
それでは白ビールの中でも、代表的なビアスタイルについて2種類見ていきましょう。
ビアスタイル1:ヴァイツェン
白ビールの中で代表的なのが「ヴァイツェン」。
小麦麦芽を50%以上使用しており、バナナやクローブに近い、フルーティーな香りを楽しめるビールです。
泡立ちが豊かなこと、泡持ちが良いことも特徴のひとつでしょう。
ドイツでは、現在も伝統的なビールとして親しまれています。
ビールの苦みはほとんど感じられません。
しかし口当たりは滑らかながらしっかりとしていて、小麦が原料のビールの中では濃厚さを感じられるかもしれません。
小麦が持つ本来の甘さが強いため、ビールが苦手な方でも飲みやすい仕上がりです。
料理と合わせるならば、クリーム系の料理やソーセージ、刺し身などをおすすめします。
香り高いヴァイツェンには、肉類や生魚の臭みを抑えるマスキング効果が期待できます。
また濃厚であるため、クリーム系の料理とあわせても負けない味わいの強さがあるでしょう。
小麦を使ったビールに興味がある方は、ぜひ一度ヴァイツェンを試してみてください。
ビアスタイル2:ベルジャンホワイト
続いての「ベルジャンホワイト」は、小麦と大麦麦芽の両方を用いて製造するビールです。
ただし使用する小麦は発芽していないもののみが使用されます。
「ベルジャン」との名前のとおり、発祥はベルギーです。
ベルギーのビールの中でも、世界的に知名度が高いのがベルジャンホワイト。
1960年代のベルギーで低迷していたビールの人気を取り戻すために開発されたとされています。
原料にオレンジピールとコリアンダーが使用されており、柑橘系の爽やかさの中に、スパイシーさが感じられる仕上がり。
さらに軽く爽快な口当たりで、小麦の甘酸っぱさが口の中に広がります。
スパイシーで軽い味わいであるため、魚介類系の料理と相性が良いでしょう。
ベルギーの定番料理であるムール貝のビール蒸しとは、特に相性が良いでしょう。
もちろんその他の貝類とあわせてもおいしくいただけます。
コリアンダーが使用されていることから、東南アジア系の料理とも相性が良く、楽しめるでしょう。
白ビールはコンビニやスーパーでも買える
白ビールは日本のコンビニやスーパーマーケットでも購入できます。
「白ビール」はあまり一般的でないイメージがあるかもしれません。
しかし最近では取り扱っているコンビニやスーパーも増えてきており、缶ビールとして販売されているのも見かけます。
売り場で「白」「ホワイトエール」などと表記されているビールを探してみてください。
意外と簡単に見つかるかもしれません。
また、手軽に楽しめる白ビールテイストの新ジャンルも登場しています。
中にはノンアルコールの白ビールテイスト飲料も。
白ビールの味だけを確認したいなら、新ジャンルやノンアルコール飲料もおすすめです。
白ビールを気軽に楽しみたい方は、ぜひお近くのコンビニやスーパーマーケットで探してみてください。
小麦を原料とした白ビールの独特な魅力
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、小麦を原料としたビールについてご理解いただけたと思います。
小麦を原料に含むビールは白ビールと呼ばれており、フルーティーで爽やかな味わいが魅力です。
わたくしどもスペントグレインでは、白ビールを製造したいとの要望にも対応しています。
ブルワリーのコンサルティングや設備の支援を行っているのがスペントグレイン。
理想の白ビールづくりをサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
お待ちしております。
この記事の監修者

株式会社スペントグレイン
マーケティング担当者
兼 醸造アドバイザー/経営コンサルタント
<略歴>
大手経営コンサルティング会社へ就職し、地域経済の活性化に貢献するプロジェクトに多く携わり、食品やアルコールを通じた地域振興・施設開発を専門にコンサルティングを行う。経営アドバイザー・醸造アドバイザーとして地域密着型のクラフトビール事業の立ち上げから設備導入、経営戦略までを一貫して支援し、地元の特産品を活かしたビールづくりにも取り組んでいる。
<監修者から>
ビールの品質は、技術は当然のことながら、経営の安定からも生まれます。持続可能で収益性の高い事業運営を支援しながら、ビールの味わいを最大限に引き出すことが私の使命です。 良い設備がなければ、良いビールは生まれません。しかし、経営が安定してこそ、長期的に持続可能なビール文化を築けるのです。