“街のビール屋さん”に必要だったのは、シンプルかつ洗練された醸造設備
- 2025.03.31
- 2025.04.18

導入事例~PIRONO BEER(ピロノビール)様~
ピロノビール様は、2024年に開業した、福島県郡山市で初となるクラフトビール醸造所です。
ヨーロッパスタイルの多種多様なビールを醸造しながら、多くの方から親しまれる“街のビール屋さん”をコンセプトに掲げて、郡山市に新たな息吹をもたらしています。
また、同醸造所は飲食店も併設しており、地元民のみならず、県外から訪れるクラフトビールファンからも「できたてに近い新鮮なクラフトビールが飲める!」と好評を博しています。
今回は、そんなピロノビールの代表を務めている、佐藤 孝洋様にお話を伺いました。
インタビュアー:醸造設備を導入するにあたって、業者選びで重要視していたポイントはありますか?
佐藤様:私たちは、シンプルかつ作業を効率的に進められる設備を求めていたので、設備業者を選ぶ際は、そのイメージをしっかり共有できるかどうかを重要視していました。
醸造設備の選定にあたっては、「自分たちはどんなビールを造りたいのか」を明確にしたうえで、それに対応できる設備の条件を業者と詰めていく必要があります。
私の場合、ヨーロッパのセゾンやビターといった比較的シンプルなクラフトビールに影響を受けており、「自分も、このようなビールを造ってみたい!」と考えていたんです。
シンプルゆえに、特別な醸造工程は必要なかったので、最低限の機能が備わった使いやすい設備を探していました。
そのうえで設備業者に求めていた条件は、意思疎通を円滑に図れるのはもちろんのこと、業者自身、ビール醸造の経験があることです。
なぜなら設備業者にビール醸造の経験がないと、イメージがうまく伝わらない……という可能性があるからです。
また、「実績が豊富な信頼できる業者に頼みたい!」という想いもありました。
飲食店の併設が前提だったので、それに見合う醸造設備は何か? といった点で、経験豊かな業者からのアドバイスが欲しかったんです。
インタビュアー:醸造設備を導入するにあたって、スペントグレインを選んだ理由を教えてください。
佐藤様:スペントグレインさんを選ぶ決め手となったのは、やはり現役の醸造家であることですね。
ビール醸造の経験と、数々の醸造所を立ち上げたことで蓄積されたノウハウがあるので、「的確なアドバイスをもらえるはずだ!」と考えたわけです。
今もビール醸造の現場で活躍している方々の所見は非常に参考になりますし、「私たちが求めている設備を容易に理解してくれる」と踏んで依頼を決断しました。
実際に話を進めるなかで、私たちの要望をすぐに把握してくれましたし、そのうえで現役の醸造家ならではの観点から意見をもらえたので、まさに期待通りでしたね。
またそれだけでなく、“醸造家にとことん寄り添う姿”を感じられたことも、スペントグレインさんを選んだ理由の一つです。
醸造設備のメインとなる醸造タンクの選定について相談したところ、「まずは年間で醸造するビールの量を決めましょう!」と提案してくれたんです。
そのうえで1回の仕込み量を推定し、必要なタンクの数を概算してもらえたので、非常に助かりましたよ。
ここまで醸造家と同じ目線で考えてくれる業者は多くありませんから、この点もスペントグレインさんを選ぶ後押しになりました。
インタビュアー:スペントグレインに依頼してよかったことはなんですか?
佐藤様:醸造設備を導入したら終わりではなく、開業前後にも手厚いサポートがある点は、「スペントグレインさんに依頼してよかった!」と思えるポイントですね。
設備のメンテナンスや作業効率を上げるための方法、またビール造りの基本的な部分についても気軽に相談できるほか、問題が発生した際にも迅速に対応してもらえます。
たとえば、設備上のトラブルが発生した際はすぐに連絡がとれる環境が整備されていて、とてもスピーディーに対応してくれるんです。
しかも一つの問題に対して、醸造現場での経験を踏まえた複数の解決策を提案してくれるので、何度もやり取りを重ねる手間を省けますし、非常に助かっています。
それに、スペントグレインさんは主に東京や神奈川で活動されているのですが、タイミングさえ合えば福島まで来てくれることもあるんですよ。
このフットワークの軽さも、スペントグレインさんの魅力の一つですね。
私たちは、醸造設備に関する知識が完璧に備わっているわけではないので、その道のプロに直接見てもらえるのは安心感があります。
またスペントグレインさんは、私たちの造りたいビアスタイルに合わせた最適な醸造設備を提案してくれたので、非常に満足しています。
私たちの要望を完璧に把握したうえで、「この機能は必要ありませんよ」「ここはカスタムしたほうがいいですね」と具体的にアドバイスをしてもらえたんです。
この意見を参考に設備を選んだことで、私たちが当初考えていたプランよりも、洗練された使い勝手の良い設備を導入できました。
おかげで、ベストな状態で開業日を迎えることができたので、スペントグレインさんに依頼して本当によかったな……! と思っています。
インタビュアー:現在使用している設備のなかで、特に気に入っているところはありますか?
佐藤様:スペントグレインさんの醸造設備は、とにかく使い勝手が良いんですよ。
ビール醸造で必要な、仕込みやろ過、煮沸といった複数のプロセスをストレスなくこなせる点が非常に気に入っています。
私たちの醸造所は、もともと倉庫だった建物を改修して使用しているのですが、醸造スペースは天井が低く、そこまで広くはないんです。
ですがスペントグレインさんは、その限られたスペースに私たちの要望を十分に満たす醸造設備を導入してくれました。
そのうえで適切な動線を確保するなど、作業効率にも目を向けてくれたおかげで、ストレスフリーでビール醸造に向き合うことができています。
特に気に入っているのは、麦芽カスの目詰まりが発生しないことです。
実はビールを醸造する過程でよくあることなのですが、タンク内のフィルターに麦芽カスが詰まってしまうと仕込みがうまく進められません。
私たちの醸造所ではこれまで一度も目詰まりを起こしたことがなく、ビール醸造をスケジュール通りに進められているのはうれしいところですね。
またこれは余談ですが、今回導入した醸造設備は配管も含めてきれいなシンメトリーになっていて、偶然とはいえ見た目もスタイリッシュで気に入っています(笑)
インタビュアー:では、ピロノビール様の今後の展望をお聞かせください。
佐藤様:私はピロノビールを開業する前に、ほかの醸造所で修行していたのですが、そこでは長期熟成のビールや野生酵母で発酵させるビールの醸造に力を入れていたんです。
今後はその経験を活かして、ピロノビールでも個性的なビールの醸造に取り組みたいと考えています。
さらに長期的な展望としては、地域に根づく“街のビール屋さん”としてのポジションを確立したいですね。
そのために、地産地消のビールや料理の提供にも注力していくつもりです。
今は、福島産の野菜を使用した料理を提供しているのですが、いずれは福島産の原料を用いたビールも醸造していきたいと思っています。
福島県が誇る何百年と続く酒蔵のように、私たちの醸造所も、100年後、200年後もビールを造りつづけていられる存在でありたいですね。
インタビュアー:最後に、これから醸造所の開業を目指す方へメッセージをお願いします。
佐藤様:ビール醸造は簡単なことではありませんが、ご自身の感性を信じて、チャレンジ精神を忘れずに取り組んでみてください。
ピロノビールでは、私が影響を受けたヨーロッパスタイルのビールを主軸に醸造・提供していますが、このようなビールは郡山市で知名度の高いものではありませんでした。
しかし、最近では近所の方がお店に立ち寄って、おいしそうにビールを飲んでくれることが増えてきたんです。
「自分の手で造ったビールが、生まれ育った街で受け入れてもらえたんだ……!」と実感していると同時に、自分の感性にまっすぐ向き合いつづけてよかったと思っています。
醸造期間は神経を使うので、心身ともに疲弊することもありますが、自分の大好きなビールを自らの手で醸造して、お客さまに届いたときの達成感は唯一無二です。
とはいえ、醸造所の開業は人生の一大イベントですから、最初の一歩をなかなか踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。
その際は、ぜひスペントグレインさんを頼ってほしいですね。
なんといっても現役の醸造家ですから、現場経験者ならではの地に足のついた意見をもらえますし、これまでの開業支援で積み重ねたノウハウを惜しみなく提供してくれます。
スペントグレインさんなら、知識や技術を総動員して「とにかくおいしいビールを造りたい!」という醸造家を全力でサポートしてくれるはずです。
醸造所の紹介

PIRONO BEER
街のビール工場と飲食店 / 福島県郡山市 【営業日】 火〜金 16:00〜22:00 (L.O.) 土 15:00〜22:00 (L.O.) 日 不定期営業 月 定休日

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