【2026年最新版】日本におけるクラフトビールの売上の傾向を解説

近年、ビール市場全体が縮小傾向にあるなかでも、クラフトビール市場は確実に存在感を高めています。
「市場規模はどの程度か」「本当に成長しているのか」「2026年以降も伸びるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、2026年時点で把握できる最新データと制度動向をもとに、日本のクラフトビール市場の売上傾向と今後の展望を整理します。
クラフトビール事業への参入や拡大を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

【目次】

クラフトビールの概要

クラフトビールとは、小規模の醸造所で作られる、個性的なビールを指します。
大規模の醸造所で作られるビールとは違った、小規模ならではのこだわりや遊び心が、ふんだんに詰まった点が魅力です。

かつてブームになった地ビールも、小規模の醸造所で作られるため、クラフトビールとどのように違うのか疑問に思う方も多いでしょう。
経緯としては、1994年に小規模のビール醸造所が生まれ、そこで作られたビールが地ビールとして人気を得ましたが、一過性のブームで終わってしまいました。
その後、アメリカでクラフトビールが評判になり、その流れを受け、地ビールが“日本のクラフトビール”として再評価されるようになったわけです。

クラフトビールのクラフトは、工芸品(クラフト)からきており、ビールに作り手の情熱が込められていることを象徴しています。
また、クラフトマンシップ=職人芸といった意味合いも込められていて、大量生産品との差別化を表しています。

近年は、ますます個性的で魅力的なクラフトビールが増えており、今後もクラフトビール市場から目が離せません。

関連記事:【保存版】クラフトビールを開業するには?設備・許可・費用まとめ

国内市場規模と最新売上データ

日本クラフトビール業界団体連絡協議会(クラビ連)の2023年度市場実態調査によると、

  • 国内出荷数量:44,528kL
  • 売上金額:約386.7億円

と推計されています。

これは大手5社を除いたクラフトカテゴリーのみの数値です。

ビール市場全体が縮小傾向にある中でも、クラフト分野は堅調な推移を見せています。
規模としてはまだ数百億円規模ですが、ニッチから「確立したサブカテゴリー」へと進化しつつある段階といえます。

出典:日本クラフトビール業界団体連絡協議会 2023年度市場実態調査

ビール市場全体とのシェア比較

クラフトビールの市場シェアは、ビール類全体の中では依然として小規模です。
しかし注目すべきは、縮小する全体市場の中で相対的に存在感を高めている点です。

大手メーカーもクラフトブランドを展開しており、市場構造は単純な「大手 vs 小規模」という図式ではなくなっています。

つまり、クラフトは「対抗軸」ではなく、ビール市場の中の重要な価値セグメントへ移行しているといえます。

2026年10月 酒税一本化の影響

財務省資料によると、2026年10月にビール系飲料の税率が一本化されます。

  • 税率:1kLあたり155,000円
  • 350ml換算:54.25円

これにより、ビール・発泡酒・新ジャンルの価格差構造が変化します。

価格設計や商品区分による戦略が再編される可能性があり、2026年以降は「商品設計の前提」が変わる年といえます。

出典:財務省 酒税関連資料

2026年注目のトレンド

2026年のクラフトビール市場は、「味の多様化」だけで語る段階を過ぎています。
消費の動機そのものが変化しており、ブルワリーには“商品設計”と“体験設計”の両立が求められています。

ノンアル・低アルの拡大

健康志向の高まりや休肝日の定着により、「酔うこと」を前提としないビール消費が広がっています。
特に若年層では、アルコール度数よりも“味や香りの体験”を重視する傾向が見られます。

従来のノンアルビールは「代替品」という立ち位置でしたが、現在は

  • ホップ香を前面に出したノンアルIPA
  • フルーツを使った低アルエール
  • ウェルネス志向(糖質・カロリー配慮)

といった、“積極的に選ばれる商品”へと進化しています。

これは市場の縮小要因ではなく、クラフトが新規顧客層へ広がる入口と捉えるべきでしょう。

推測ですが、今後は
「アルコール入りとノンアルを同時展開するブランド」が標準化していく可能性があります。

ギフト需要の安定化

クラフトビールは、贈答品としての適性が高いカテゴリーです。

理由は明確です。

  • デザイン性が高い
  • ストーリーが語れる
  • 飲み比べという“体験”を提供できる

父の日や誕生日、年末年始などのイベント需要はすでに定着しつつあり、
「少し高くても良いものを贈る」層との相性が良い分野です。

特に2025年以降はEC経由のギフト需要が増加傾向にあります。
D2Cとの相性が良いため、直販モデルで利益率を高めやすい構造が生まれています。

単品勝負よりも、
・限定醸造
・季節セット
・コラボパッケージ

といった企画型商品が強い傾向にあります。

ブランド世界観の強化

現在のクラフトビール市場では、「美味しい」だけでは差別化が難しくなっています。

消費者が見ているのは、

  • ラベルデザイン
  • コピーやネーミング
  • Webサイトの世界観
  • SNSでの表現
  • 店舗体験(タップルーム含む)

といったブランド全体の一貫性です。

特にSNS時代では、“写真映え”や“ストーリー性”が購買の引き金になります。

これはマーケティング的には
プロダクト中心からブランド中心への移行とも言えます。

推測ですが、今後は
「醸造家の思想」や「地域との関係性」を前面に出すブランドが強くなる傾向が続くでしょう。

サステナビリティ意識

クラフトビールは、もともと地域密着型のビジネスと相性が良いカテゴリーです。

近年はさらに、

  • 麦芽かす(Spent Grain)の再利用
  • 地元農家との原料連携
  • フードロス削減型ビール
  • 環境配慮型パッケージ
  • 再生可能エネルギー利用

といった取り組みが増えています。

消費者は価格や味だけでなく、
「このブランドを応援したいか」という感情で選ぶ傾向を強めています。

これは単なるCSRではなく、ブランド価値の一部になりつつあります。

日本発!売れている人気のクラフトビール5選

「クラフトビールを作るにあたって、売れているビールを参考にしたい」という方のために、ここからは、日本で作られている人気のクラフトビールを5つ紹介します。

①よなよなエール

クラフトビールの老舗、ヤッホーブルーイングが作る『よなよなエール』は、飲んだ瞬間にオレンジやマスカットといったフルーティーな甘味が口に広がります。
苦味は強めですが、全体的なバランスが良く、飽きのこない味わいです。

②銀河高原ビール

『銀河高原ビール』も、ヤッホーブルーイングから販売されているクラフトビールです。
特徴としては、バナナのような芳醇な香りで、口当たりはまろやかでコクがあるという点が挙げられます。
苦味が少ないため、一般的なビールが嫌いな方にもおすすめです。

③軽井沢ビール

缶のデザインに、画家の千住博氏の『星のふる夜に』という絵画を用いた、情景溢れるクラフト缶ビールが『軽井沢ビール』です。
バナナのようなフルーティーさが印象に残る、のどごしが柔らかい飲み口が特徴です。

④東京クラフト

『東京クラフト』には、北米産のカスケードホップがふんだんに使用されています。
フタを開けると、柑橘系のフルーティーな香りが広がります。
質の良い苦味があるため「ビールには苦味も欲しい!」という方は、ぜひ一度手に取ってみてください。

⑤SPRING VALLEY

『SPRING VALLEY』は、海外産ホップと日本産ホップが組み合わさった、香り豊かなクラフトビールです。
苦味を抑えたいときには泡を多めに、苦味を感じたいときは泡を少なく注ぐなど、注ぎ方によって味わいが変化するのが大きな特徴です。
甘味、酸味、苦味の絶妙なバランスと、飲み終わりの深い余韻を楽しめます。

クラフトビールはなぜ人気なのか

勢いが止まらないクラフトビール、人気の理由が気になりますよね。
まず理由として挙げられるのが、地域性や独自性に特化しており、特定の地域や店舗でしか飲めないという“特別感”がある点です。
最近は都内でもクラフトビールを扱う店が増えてきていますが、店によってビールの個性は異なり、同じものは一つとしてありません。

次に、“飲みやすさ”も大きな理由の一つです。
クラフトビールのなかには、飲みやすさを重視して作られた、フルーティーで甘味があるビールもあります。
もともとビールが好きな人だけではなく、苦味のあるビールに苦手意識をもつ人たちにも人気を博しているからこそ、クラフトビールは世間に広まったのです。

関連記事:クラフトビール市場におけるマーケティングのコツを解説

日本のクラフトビールの売上の傾向を知り事業に活かそう

今回は、日本のクラフトビール市場における、トレンドや売上の傾向について解説しました。

クラフトビール市場はここ数年で大きく変化し、大手のビールメーカーが参入するほどの賑わいを見せています。
ここまでの盛り上がりを見せた背景には、クラフトビールにはフルーティーで飲みやすいタイプが多いという特徴があります。
この傾向を理解したうえで、クラフトビールを作る際の方向性を固めていきましょう。

マイクロブルワリー、クラフトビール開業支援のスペントグレインは、クラフトビール事業を始めたい方へのサポートを全力で行っています。
高品質なビールを醸造できる、醸造設備を各種取り扱っておりますので、こだわりの詰まったおいしいビールを作りたい方は、気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

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株式会社スペントグレイン
マーケティング担当者

兼 醸造アドバイザー/経営コンサルタント

<略歴>

大手経営コンサルティング会社へ就職し、地域経済の活性化に貢献するプロジェクトに多く携わり、食品やアルコールを通じた地域振興・施設開発を専門にコンサルティングを行う。経営アドバイザー・醸造アドバイザーとして地域密着型のクラフトビール事業の立ち上げから設備導入、経営戦略までを一貫して支援し、地元の特産品を活かしたビールづくりにも取り組んでいる。

<監修者から>

ビールの品質は、技術は当然のことながら、経営の安定からも生まれます。持続可能で収益性の高い事業運営を支援しながら、ビールの味わいを最大限に引き出すことが私の使命です。 良い設備がなければ、良いビールは生まれません。しかし、経営が安定してこそ、長期的に持続可能なビール文化を築けるのです。

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