マッシュホップとは?製法の特徴や味わい・香りの特徴について
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- 2025.02.21
- 2025.03.25

ブルワリーの事業拡大や新規立ち上げを検討している方に向けて、マッシュホップの特徴を解説します。
ビールにはさまざまな製法がありますが、そのひとつが『マッシュホップ』です。
しかし、マッシュホップの製法や味わい、香りについて詳しく知らない方も少なくありません。
そこで今回の記事では、マッシュホップとはどのような製法・特徴であるのかについて解説します。
この記事を参考にして、マッシュホップをブルワリーに取り入れるべきかを判断する材料としてご活用ください。
【目次】
ビールはどういう流れで製造されている?
まずビールの基本的な製造工程について見ていきましょう。
【製造工程】
- ミリング:麦芽を細かく砕いて製麦をする
- 仕込み:麦芽を煮込んでビール製造のもとである麦汁を作る
- 発酵:タンクの中にあるビールに酵母を加えてビールを発酵させます
- 貯酒・熟成:タンクの中に入れたビールを0℃にして14日間ほど貯蔵します
- ろ過:ビールの中に含まれる酵母を除去します
- 充填:完成したビールを瓶や缶に詰め込む作業です
以上のようにビールは、細かくした麦芽をもととして麦汁を作ることから始まります。
そして酵母を加えたうえでタンクの中で発酵・熟成させ、アルコールが含まれたビールを作り出す仕組みです。
酵母を除去するためにろ過を行い、瓶や缶に詰めて商品化します。
基本的なビールの製造工程は、麦芽から麦汁を作り、発酵させることが中心です。
ホップの役割とはどんなもの?
ビールづくりに欠かせないホップ。
ホップとは、ビール製造においてどのような役割を持つのでしょうか。
ビールづくりにおけるホップの役割について、4つの視点から解説します。
役割1:苦味をつける
まずホップには、ビール特有の苦味をつける役割があります。
ビールを飲むと感じられる独特の苦みは、ホップの味わいによるものです。
麦芽を細かくして麦汁を作り、ホップを投入して煮沸すると、ホップの苦みがビールの中に移ります。
苦みは「イソアルファ酸」と呼ばれる成分によって作り出されるもの[1]で、コクや苦みの強いビールには、多く含まれている傾向があります。
このように、ホップにはビールに欠かせない苦みを与える役割があります。
役割2:香りをつける
ビールの香り付けもホップの役割のひとつです。
ビールには苦みに加え、特有の香りもあります。この香りは『エステル香』『ホップ香』『モルト香』の3つで構成されています。
ホップには華やかな香りがあり、特に強い香りをもつホップを「アロマホップ」と呼ぶことも。
ただしホップの香りは、ホップの種類によって変わります。
柑橘系、フローラル系、スパイシー系、グラッシー系とさまざまです。
使用するホップによって、ビールの香りが変わることも珍しくありません。
役割3:泡もちをよくする
実はビールの泡もちのよさもホップによる効果のひとつです。
ビールの魅力のひとつに泡があります。
味わいと炭酸ガスを閉じ込め、苦みを和らげる役割を持っています。
ビールの泡はビールの見た目をよくするだけでなく、商品価値の一部でもあるもの。
ホップは泡もちを良くし、ビールの商品価値を高める重要な役割を果たします。
役割4:殺菌効果を高める
ホップには、ビールの殺菌効果を高める役割もあります。
ビールは殺菌技術が発展していなかった古来から製造されていました。
殺菌技術がなかった時代に重要視されていたのが、ホップの殺菌効果です。
ビールを作っても、すぐに傷んでしまっては出荷まで耐えられないかもしれません。
しかしホップにはビールのアルコール度数とともに殺菌効果を高める効果が認められていました。
そのためビールの腐敗を防ぐために、ホップを大量に入れたのがビールの始まりであったとも言われています。
関連記事:ビールの殺菌方法とは?クラフトビールの殺菌方法も紹介
マッシュホップとは
マッシュホップとは、ホップの中でも香りづけに特化した製法のことです。
マッシュホップを用いると、ビールにトロピカルな風味が加わり、苦みが穏やかになるのが特徴です。
一般的なビール製造では、麦汁を作った段階でホップを投入します。
一方、マッシュホップでは、麦汁を作る前の麦芽を煮込む段階でホップを加える点が特徴です。
マッシュホップではホップが持っている「チオール」と呼ばれる香気成分を引き出せます。
マスカットのような香りが楽しめるほか、香りを強調したビールを作ることができるため、香りづけを重視する場面で用いられる製法です[2]。
マッシュホップの効果
それではマッシュホップの効果とはどのようなものか、具体的な効果についてご紹介します。
【マッシュホップの効果とは】
- トロピカルで豊かな香りになりやすい
- 苦みと渋みを抑えられる
- 後味のキレがよくなる
マッシュホップの大きな特徴は、トロピカルで豊かな香りが引き立つ点です。
特に柑橘系の香りが強く、シトラスやパイン、パッションフルーツを想起させる香りが特徴的です。
さらに、ビール特有の苦味と渋みが抑えられ、後味のキレが向上する点も挙げられます。
香りがよくクセのないビールを製造したい方は、ぜひマッシュホップを試してみてください。
マッシュホップとは「香り高いビール」を作る製法
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、マッシュホップとはどのようなものかがご理解いただけたと思います。
マッシュホップを使用することで、苦みや渋みを抑え、香り高いビールを作ることができます。
スペントグレインでは、ブルワリー開業のコンサルティングや『おいしいビールづくり』のサポートを行っています。
こだわりのビールを製造するブルワリーを目指す方は、ぜひお気軽にスペントグレインへご相談ください。
[1]
参照:JSTAGE:(PDF)ホップ由来苦み成分「イソα酸」の認知機能改善効果について
[2]
この記事の監修者

株式会社スペントグレイン
マーケティング担当者
兼 醸造アドバイザー/経営コンサルタント
<略歴>
大手経営コンサルティング会社へ就職し、地域経済の活性化に貢献するプロジェクトに多く携わり、食品やアルコールを通じた地域振興・施設開発を専門にコンサルティングを行う。経営アドバイザー・醸造アドバイザーとして地域密着型のクラフトビール事業の立ち上げから設備導入、経営戦略までを一貫して支援し、地元の特産品を活かしたビールづくりにも取り組んでいる。
<監修者から>
ビールの品質は、技術は当然のことながら、経営の安定からも生まれます。持続可能で収益性の高い事業運営を支援しながら、ビールの味わいを最大限に引き出すことが私の使命です。 良い設備がなければ、良いビールは生まれません。しかし、経営が安定してこそ、長期的に持続可能なビール文化を築けるのです。