ターンキー醸造所とは?種類と選び方を解説

ターンキー醸造所は、ビール醸造の新規事業や事業拡大を計画する経営者にとって、重要な選択肢となります。

 

本記事では、ターンキー醸造所の基本的な構成要素や種類について解説し、最適な醸造所を選ぶための方法についても詳しく説明します。
醸造所を成功させたいとお考えの経営者の皆様は、ぜひ参考にしてください。

【目次】

ターンキー醸造所とは?

ターンキー醸造所とは、設置後すぐに稼働できるように、必要な設備やシステムが一体となって提供される醸造所のことです。
購入者は複雑なセットアップ作業をする必要がなく、すぐにビールの生産を開始できるのが特徴。

 

新規にビール醸造を始める企業や事業拡大を図る醸造所にとって、効率的かつ迅速に事業をスタートできる手段として人気があります。

ターンキー醸造所の構成要素

ターンキー醸造所の主な構成要素としては、まずビールの醸造プロセスを担う醸造システムが挙げられます。
マッシュ・タンやブリュー・ケトル、ホット・リカー・タンクが含まれ、ビールの仕込みを行います。
また、ビールの発酵を担当する発酵槽は、麦汁をビールへと変える重要な役割を果たします。

 

さらに、ビールの品質を保つためには適切な温度管理が不可欠。
温度管理を支えるのが冷却システムです。
そして、醸造されたビールを市場に出すためには、包装ラインが必要となります。
缶詰や瓶詰、樽詰など、さまざまな形でビールを包装するシステムが含まれます。

 

最後に、醸造所に適した暖房システムも重要な要素。
電気、蒸気、直火など、醸造所の規模やニーズに応じて選択する必要があるでしょう。

ターンキー醸造所の種類

ターンキー醸造所にはさまざまな種類があり、規模や目的に応じて選択肢が異なります。

  • クラフトビール醸造所
  • マイクロブルワリー
  • ナノブルワリー
  • 大規模工場

これらの醸造所は、即座に稼働できるように設計されており、それぞれのタイプが特定の市場や事業ニーズに応じた特徴を持っています。

クラフトビール醸造所

クラフトビール醸造所は、中規模から大規模の醸造設備を備えており、独自性や品質にこだわったビールの製造を実施します。
通常、15~60バレルの容量を持ち、個性的なフレーバーやスタイルに特化したビールを製造。

 

このタイプの醸造所は、地域や全国的な市場に対して高品質なクラフトビールを提供し、消費者の幅広いニーズに応えています。

 

関連記事:クラフトビール業界の現在の動向と将来へのアプローチを解説

マイクロブルワリー

マイクロブルワリーは小規模な醸造所で、通常は3~15バレルの生産能力を持ちます。
地域密着型のビジネスに適しており、地元のパブやレストランと提携してビールを提供するケースが多いです。

 

自社のバーやテイスティングルームを併設している場合もあり、顧客との直接的なコミュニケーションを重視しています。

 

関連記事:マイクロブルワリーとは?開業のポイントも解説

ナノブルワリー

ナノブルワリーは、最も小規模な商業醸造所で、通常は3バレル以下の容量を持っています。
個人や家族経営で運営されることが多く、趣味をビジネスにしたい愛好家に最適です。

 

生産量が少ないため、限定版や季節限定のビールを製造し、地元のコミュニティに独自のビールを提供することが主な目的です。

 

関連記事:ナノブルワリーとは?その特徴と開業するための準備を解説

大規模工場

大規模工場は、商業規模でのビール生産を行う醸造所で、60バレル以上の生産能力を持ちます。
広範な市場に対応し、全国的または国際的にビールを供給します。

 

大量生産が可能で、安定した品質を保ちながら広範囲な消費者層にアプローチすることができます。

ターンキー醸造所を選ぶ方法

ターンキー醸造所を選ぶ方法は、以下4点に注目しましょう。

  • 醸造所の規模を決める
  • 予算を考慮する
  • サプライヤーの選定
  • 保証があるか確認する

順番に解説していきます。

醸造所の規模を決める

最初に考慮すべきは、醸造所の規模です。
どの程度の生産量を目指すかによって、選択するターンキー醸造所のタイプが異なります。

 

ナノブルワリーから大規模工場まで、事業のビジョンに合った規模で決定しましょう。
市場の需要予測や成長戦略に基づいて、適切なサイズの醸造所を選ぶべきです。

予算を考慮する

次に、予算の設定は欠かせません。
初期投資だけでなく、運用コスト長期的なメンテナンス費用も考慮に入れる必要があります。

 

予算が限られている場合でも、品質や拡張性を犠牲にしないよう、バランスを取ることが大切。
また、将来的な設備拡張の可能性も考え、柔軟な予算設定を行うと良いでしょう。

サプライヤーの選定

ターンキー醸造所のサプライヤー選びは、品質と信頼性に直結します。
信頼できるサプライヤーは、製品の品質だけでなく、設置後のサポートやトレーニングも充実しています。

 

レビューや体験談、ケーススタディを参考に、サプライヤーの評判を確認しましょう。
また、サプライヤーが提供する技術サポートの内容もチェックしてください。

保証があるか確認する

最後に、醸造設備の保証内容を確認してください。
長期にわたって安定した運用を続けるには、強力な保証が必要です。

 

機器の故障や予期しないトラブルに備え、しっかりとした保証が付いているか確認し、必要に応じて延長保証を検討すると良いでしょう。

ターンキー醸造所の種類と選び方を理解しよう

いかがでしたでしょうか?ターンキー醸造所についてお分かりいただけたかと思います。

 

ターンキー醸造所は、ビール醸造の新規事業や拡大を考える経営者にとって、スムーズな立ち上げを実現するための重要な選択肢です。
規模や予算、サプライヤーの選定と保証を考慮することで、最適な醸造所を構築できるでしょう。

 

マイクロブルワリー、クラフトビール開業支援のスペントグレインでは、醸造設備や施工工事だけでなく、地域に根ざしたクラフトビールを創り出すための戦略もサポートいたします。
新たな挑戦をお考えの事業者様は、ぜひ弊社へご相談ください。

この記事の監修者

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株式会社スペントグレイン
マーケティング担当者

兼 醸造アドバイザー/経営コンサルタント

<略歴>

大手経営コンサルティング会社へ就職し、地域経済の活性化に貢献するプロジェクトに多く携わり、食品やアルコールを通じた地域振興・施設開発を専門にコンサルティングを行う。経営アドバイザー・醸造アドバイザーとして地域密着型のクラフトビール事業の立ち上げから設備導入、経営戦略までを一貫して支援し、地元の特産品を活かしたビールづくりにも取り組んでいる。

<監修者から>

ビールの品質は、技術は当然のことながら、経営の安定からも生まれます。持続可能で収益性の高い事業運営を支援しながら、ビールの味わいを最大限に引き出すことが私の使命です。 良い設備がなければ、良いビールは生まれません。しかし、経営が安定してこそ、長期的に持続可能なビール文化を築けるのです。

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